日出づる国のロナウド

 セリエAに日本人史上最年少で出場した森本貴幸が、たった4分足らずでゴールを決めた。18歳でセリエAの日本人最年少ゴールの記録を更新した。日本ばかりでなく、イタリアでもその快挙を称えている。相手の監督は、その衝撃度をモリモトではなく「マレモート(津波)」(都並ではない(笑))と表現したそうだし、なかでも最も印象的なものは「日出づる国のロナウド」だろう。森本自身がロナウドのあこがれ、自身も丸刈りの頭にしてロナウドにあやかっているし、これは最大級の賛辞だろう。何よりイタリアで、日本をのことを「日出づる国」と表現してくれているところが素晴らしい。

 18歳といっても、これは高校サッカーの話ではない。世界でもサッカーの最高峰のリーグでの衝撃デビューなのだから、これは奥寺、カズ、中田らに続く、サッカーの歴史に残る偉業と言わざるをえない。これまでは日本人選手というと、実力は微妙でも副産物のジャパン・マネーを期待して入団させるのではないのかという向きがあったが、森本に関してはまだスポンサーもつかない存在なので、本当に才能と将来性を買われているようだ。もともと東京ヴェルディに最年少で入り、Jリーグ最年少ゴールを決めたときから驚きだったが、その才能は世界にも通用することを証明したようだ。

 森本のゴール前での両側の相手デフェンダーを振り切ってのシュートを見ると、球持ちが優れているというか、やはり年齢に関係のない天性のものを感じさせる。ACミランに移籍が決まった本物のロナウドと、和製ロナウドとの対決も現実になりそうだから、今後ますます注目される存在になるだろう。
 森本は、何よりサッカーに賭ける人間の良さそうな若者だ。そして単身海外で修行を続ける姿は、かつてのカズや奥寺などともイメージが重なる。また、こういう選手にあこがれる次世代の少年達にいい影響を与えてくれることが、日本の教育にとってもいいことになるんじゃないかな(最後はセルジオ越後調)。