アキバの時代の変遷

 注目URLにも出ているが、アキバの有名な激安PCショップが倒産したとのこと。

「突然死」か「緩やかな死」か――アキバから姿を消していくPCショップ

それと、知らなかったが、PCパーツや早くからLinuxに力を入れてきた「ぷらっとホーム」も昨年末で店舗を閉鎖したらしい。

ぷらっとホーム秋葉原店が年末で閉鎖

そういえばもう何年もアキバでは、電気街を彷徨したことがない。その暇がなくて興味がなくなったというより、あまり必要がなくなったのだろう。ほとんどのものはネットで手に入れられるようになったことも大きい。

 新しいPCに入れ込んでいた時代、PC-98からDOS/Vへの時代の頃、「ステップ」(アキバ発ではなかったか)とか「TWO TOP」という激安ショップがあったが(とはいえ数10万円)、時代ととも消えていった。不況の時代の90年代の前半には、PCだけは普及が進んでいる頃だったこともあって、昔の家電店が撤退して次々にPCショップに代わり、裏道にはいわゆるジャンク屋が所狭しと並んでいた。その頃出入りする人は、ぷらっとホームのようなところでは、PCの玄人ユーザ(ヘビーユーザ)が多かった。店員と客がマニアックな話で丁々発止をしているのが普通の光景だった。

 今やPCそのものがオールインワンで家電並の価格が当たり前になり、PCをパーツで自作することのコスト的なメリットもなくなったようだ。それによって中小安売りPCショップやPCパーツショップは、玄人ユーザの足が遠のいて経営的に沈んでいったようだ。代わってトレンドになったのが、アキバの萌え系のメイド喫茶やアニメショップというわけだ。通り裏のPCパーツショップの跡地がこうした店などに代わっていったのだという。オタクといっても、昔のオタクとはその内容も変わったようだ。

 そしてなにやら駅前再開発が進み、今後はIT系の基地になるビルが建っていくという。電気街としての伝統は残っていくようだが、ここでも古き良き時代の記憶はだんだんとなくなっていくようだ。そう考えるとWindows Vista発売で一時的に盛り上がっているのも、過去への郷愁のようなものかもしれない。