Googleの新しいサービス

 ここ1,2年、検索ばかりでなく、どんどんネットサービスが増えてきて、何をどこまでできるのかもよくわからなくなっているGoogleだが、企業ユーザ向けに事実上の「オフィスサービス」を始めるようだ。Web2.0の言葉の例に必ず挙げられるGoogleだが、一般向けサービスよりも金が取れる企業ユースに浸透してこそ、本当にWeb2.0が具体化していくのだろう。

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Google AppsはMicrosoft Officeキラーになるか

 以前から注目していたが、このサービスの中核はDocs&Spreadsheetsだろう。ワープロ表計算といえばPCの定番で、どんなオフィスでも使っていないところを探す方が難しいくらいになっている。それがMicrosoftの経営基盤にもなってきた。ネット時代になって、OfficeソフトのようなPC単体で使うデスクトップアプリと、メールやWebのようなネットワークアプリは区別されて使われてきた。


 ところがさまざまなネットのサービスの利用や、ブログが浸透してきたあたりから、文書を作成するにしても、Webの画面から文章やデータを打ち込んで送信だけしてやって、適当な様式の文書がWebサーバーから返ってくればいいじゃないかという感覚になってきた。Docs&Spreadsheetなどはまさにそうで、Webの画面がWordやExcelのような画面になっており、文章やデータを入れて送信ボタンを押せば、Officeソフトのような出力結果が返ってくる。印刷したければPDF文書に変換するだけでよい。このようなサービスが普及すれば、Officeソフトが不要になるし、ネット上での文書管理も容易になる。


 実際使ってみたが、Microsoft Officeに比較して、今のところ基本的な機能だけで英語版のままだが、通常の利用には十分なくらいだ。Excelで表や票を作成するにもそんなに複雑なことばかりするわけではない。Googleに対抗してMicrosoftも、Office Liveというネットサービスを始めたようだが、Officeソフトが売れなくなって、自分の首を絞めかねない。
 これまでのようなデスクトップとネットという区別がなくなる契機が、いよいよ現実化してくると思える。すべてのPCの利用はWebからということで、ますますVistaが問題ではなくなるようだ。