タミフル

 鳥インフルエンザとは別に、人間のインフルエンザもだいぶ流行しているようだ。今年は単なる風邪だというより、インフルエンザと診断されたという人の方が多いようにも思える。直接命に関わるほどではないから、あまり話題にもならなくなっているが、タミフルを服用した子供が異常行動を起こし、高所から飛び降りしてしまうという事件があり、物議を醸している。そもそもタミフルの副作用が原因なのか、インフルエンザそのものの症状によるものかも、はっきりはしていないらしい。厚労省は、一度はタミフルと異常行動の因果関係なしと公表してしまっている。今さら、あれは間違いでしたとも言えないのだろう。


 どんな薬であれ、アレルギー反応のように影響は個人差はある。ものによっては良薬にも劇薬にもなりうる。ただ異常行動だというと、幻覚症状みたいなものが現れるのかもしれず、それは麻薬と同じようなものだ。ウイルスの増殖を抑制するために、かなり強力な劇薬だということかもしれない。
 21世紀は人間とウイルスの生き残りをかけた戦いの時代ともいえるわけで、ウイルスも進化していることから、それに対抗するために危険な薬の投与も避けられなくなってきているのかもしれない。


 ただ、これまでの薬物禍についての厚労省の対応の杜撰さは多く見せられてきただけに、厚労省の発表はそのまま真に受けられない。マスコミも事件性があるように報道したがるだけなので、捏造情報ではないが、不安を煽るだけなく、なるべく正確な情報を出すべきだろう。最終的には自分の命と安全は薬でも医者でもなく、自分の正しい判断で守るしかないだろうが。