週刊ゴング廃刊?

 夕刊フジに日本スポーツ出版の社長の不祥事や関連会社の粉飾決算のあおりで、週刊ゴングが廃刊されるのではないかという、かなり確定的な記事が出ている。経緯はともあれ、廃刊になっても不思議ではないなというのが実感だ。

週刊ゴング、ついに廃刊…10億円債務“とどめ”

 元プロレスファンとしては、週刊ゴングにはだいぶお世話になった。毎週買っていた時期もあった。新日本プロレスが東京ドームで初めてプロレス興行を開催したあたり(1989年)からしばらくかな。もっと前にも本屋で立ち読みしたり時々買っていた。
 創刊40年というから、馬場・猪木時代の最初の頃から出版していたことになる。当初は月刊誌だった。まだあの時代は午後8時のゴールデンタイムにプロレス中継も行われていた。近年は視聴率が落ちたことから深夜枠に追いやられ、かつ放映が1時間から30分に短縮されてしまっている。馬場、猪木や鶴田、長州あたりまでは一般の人に名前が知られているが、深夜の放送になってからは、そもそもプロレスラーの名前さえ知られないようになった。
 さらにK-1やPRIDEといった総合格闘技の人気に押され、若い人にプロレスファンそのものも激減してしまった。昔は話してみれば「隠れプロレスファン」という人も、それなりに居たものだった。


 プロレスファンそのものが減れば、プロレス雑誌も売れなくなるのは当然だし、ネットの普及でリアルタイムに試合結果などの情報が得られるので、本そのものが売れない時代がそれに輪をかけているだろう。直接的には社長の不祥事が、廃刊を取り沙汰された原因だとしても、販売不振から早晩休刊になるのは時間の問題だと思われる。
 昔はゴング派と週刊プロレス派と、どちらのプロレス報道のポリシーを支持するかなんてのもあった。プロレスの論客もいろいろといた。スポーツ評論でいろいろと偉そうなことを言っている二宮清純も、元はゴングのプロレス評論出身である。何を隠そう、自分もネットの初期の頃のプロレス掲示板では自他ともに認める論客の1人だった(笑)。


 プロレスそのものは日本の高度経済成長とともに繁栄し、不況後どんどん縮小していった。力道山に始まり、馬場・猪木時代で繁栄したが、彼らが死去、引退とともに、歴史も終焉に近づいているような気がしてならない。