YouTubeが国内1千万人ユーザー突破

 何かと話題のYouTubeの日本のユーザーが2005年末のサービス開始以来1000万人を突破したという。コンテンツの内容が異なれば単純な比較はできないとはいえ、GoogleWikipediaなどに比べても史上最速であるという。

日本のYouTubeユーザー、1000万人突破 史上最速で

 ブロードバンドが可能になって、かつ動画圧縮技術が進むなど、動画配信のボトルネックが小さくなったところにタイムリーに登場したのがYouTubeであったといえるようだ。ケータイを含め、動画の可能性は誰しもが予想はしていたことだが、ネットの中でどのように取り入れられるかは、まだまだ未開拓の部分も多い。「ネットと放送の融合」などとお題目だけ言ってみたところで、これまでのテレビ放送のように、一方的に流される内容だけでは、あまり魅力はない。


 そんな中で、特に動画コンテンツを作らずにユーザーの自由な投稿と相互閲覧にまかせてしまい、その投稿システムだけをネットサービスにしてしまったのがYouTubeであろう。そこにユーザがオリジナルの面白ビデオや、テレビやビデオの話題のシーンをコンパクトにしたものをどんどん投稿するものだから、爆発的な人気を呼んだといえる。
 この話題を広めた背景として、ブログやSNSの普及による「口コミ」の影響も忘れてはならないだろう。自分の毎日の日記の画面の中に、簡単にYouTubeビデオを埋め込むことができるから、実際YouTubeのトップページからアクセスするより、直接問題のビデオのページにアクセスする方が圧倒的に多いようだ。自分もそういうルートで、1000万人のうちの延べ人数でどれだけ貢献しただろうか。


 ただ自分でも試しに当たり障りのないビデオをテスト的に投稿することはあっても、あまりまともに投稿する気にはなれない。明らかに著作権侵害になるTVの録画ビデオはともかく、うっかり肖像権を侵害するような内容が含まれていないか、気がかりだからである。ビデオを撮影するのは容易でも、人を撮影してしまうと、公開するのはなかなか難しい。ペットを撮影したようなビデオが多いのもこのせいだと思われる。結局、SNSのコミュニティの中だけで公開が関の山で、家族を撮影したものは家族にしか見せないことと同じである。


 今ノートPCに、USBワンセグTVを入れて「ながらブログ書き」をしているが、TVなんて、自分にはこれで十分である。録画するのも簡単だし、それを若干編集してWebページに埋め込むこともできる。ただ「融合」したとは思えない。文化の異なるものを、とりあえず並べてみただけだ。「百聞は一見にしかず」という言葉はあるが、作られた動画は本当に正しい情報を提示しているのか、という疑問を持つこともある。

 とはいえ、これまででは考えられなかった、多くの可能性が広がってきたことは確かである。