浅田真央ショートで失速

 フィギュア世界選手権、もはやメインともいえる女子フィギュアの競技が始まった。初日のショートプログラム注目の浅田真央は3回転ジャンプの失敗がたたり、5位と出遅れた。安藤美姫は怪我を克服して2位、中野は7位につけた。


 女子フィギュアは真央の活躍とアテネ五輪での荒川静香の金メダルのおかげで、すっかりメジャースポーツになったかのようだ。この注目のされ方に奮起したせいか、男子でも高橋大輔が史上初の世界選手権銀メダルにつながったように思える。

 真央はすっかり国民的アイドルのようになったようだ。確かにヨン様ハンカチ王子だと、中年のおばさんばかりに人気がありそうだが、真央だとおじさんからもおばさんからも、いや老若男女から応援されるだろう。逆に期待が大きすぎてやや心配があったが、世界選手権出場は初めてということだから、あらためて感じるプレッシャーもあったのだろう。


 しかし全般にやはり世界選手権はレベルが高いように見えた。優勝候補と目されている選手ではほとんど転倒する者はいないし、ミスも素人にはわからないほどだ。フィギュアはいかにいい演技をするかというより、いかにミスをしないかではないかと思える。それだけに演技には一瞬のミスが許されない緊迫の中に華麗さが求められるという、独特の雰囲気が醸しだされる。そこが人気につながっているのかもしれない。


 あらためて振り返ってみると、つくづく昔は日本のフィギュアは男子も含めて、伊藤みどりしかいなかったのだなと思える。トリプルアクセル伊藤みどりの代名詞だったのだから、日本のフィギュアの先駆者といっていいのだろう。1人が実現すれば、それに続く者が出てくる。それを受け継いでいる印象のある真央とは、早いもので年齢的には親子のほどの差になっている。まあ、安藤の4回転はどうなるのかわからないが。

 その伊藤みどりが直前で真央にアドバイスを送っている。

伊藤みどりさんが真央にエール

実際、ショートでは心配した通りに3回転で失敗して、精彩を欠くことになったが、アドバイスに従ってフリーで開き直れば、まだ逆転のチャンスはあるだろう。