SNSのビジネス利用

 予想されていたことではあるが、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の企業向け、ビジネス用途に利用する戦略が具体化してきそうだ。

IBM、ソーシャルネットワーキング利用の企業向けコラボレーション戦略を発表

 ブログが出てきたときは日記、SNSが出てきたときはmixiのイメージが強くて、単にネット上のお友達作りが世間一般のイメージだった。
 自分の関心としては、プロバイダが一般ユーザ受けしたいためのSNSのサービスにはあまり関心がなくて、仕事やアイデアを発展させるための道具として利用できるのではないかと当初から考えていた。


 ブログなどはいくら私的な日記を書こうが、プライベートまで売り物にする芸能人でもなければ、だらだらと書き綴ってもしかたがない。自分や家族しか、読んでも意味のないものであれば、公開する必要もなくなる。アイデアを温めるものとしては、毎日自作の連載小説を公開するようなことはあり、かもしれない。一番用途がありそうなのは、仕事であれプライベートであれ、業務日誌や、その日に考えたイデアの覚書きである。日々の何かの勉強の記録、メモやノートでもよいかもしれない。

 同様にSNSになると、グループで進行中の業務内容やらアイデアを共有しあって、全体のプロジェクトをスケジュールを管理しながら実行できそうだ。実はこちらがSNSの本命であると思う。もともとSNSとは何かと考えたときに、一番納得できた答えはグループウェアの再来」というフレーズだった。


 そもそもグループウェアは、LANの中でグループの業務を推進するネットワークの一般形態だったはずだが、いつのまにか Lotus Notes というソフトウェアがその代名詞であるかのように、意味が矮小化され、その後インターネット/イントラネットの普及の波に飲み込まれた形になってしまった。
 それがWeb2.0と言われるように、ネットがWeb中心にシフトし、Webの中でのコミュニケーションがSNSという形になって、再び業務で使える道具となってきたのだろう。しかしNotesのように、過去のものにSNSという要素を加えるような感覚では主流とはならないだろう。特にIBMはお堅いイメージがあるので、こういう製品化で時代の流れを「はずす」ことが過去にも多かったように見受けられる。


 世代によって、中高年層は電子メール、青年層はWeb、若年層はケータイとSNSを標準として育ってきているので、何か新しいものにアプローチするときの感覚は明らかに異なる。自分もニフティの頃からメールも経験して、これまでのネットの流れを見てきているつもりだが、こうした感覚の違いだけは、いかんともしがたいようだ。