北島康介が世界水泳で金

 平泳ぎの北島康介が得意の200Mで順当に金メダル獲得。ライバルであるハンセン選手が欠場したとはいえ、安定して世界のトップの泳ぎに期待ができるのはこの人だけという感がする。フジの世界フィギュアの放映に対抗したのかもしれないが、テレ朝が連日世界水泳を放映しているのも、実質は北島目当てだろう。

 その昔は「水泳日本」のような時代もあったが、近代はワンポイント的に、鈴木大地岩崎恭子といった伏兵のような人が出てきたことはあったが、全体としてはずっと低迷してきたといえる。
 アテネ五輪で北島が平泳ぎの金メダルを独占したことや、他の選手も続々メダルを獲得して新たな水泳日本が出現してきたように思えた。やはり北島のように図抜けた選手が出現してくると、他の選手も刺激され、全体としてレベルアップされてくるということだろうか。


 水泳といえば、自由形はパワーの泳ぎのアメリカやオーストラリアが昔からダントツで、体力差から日本人選手は難しいだろう。陸上の100Mみたいなものだ。歴史的にも日本人選手がトップになれてきたのは、平泳ぎや背泳ぎといった泳法の技術が有効にできるものだったのだろう。鈴木大地バサロ泳法などはその典型である。しかし日本人選手がトップになると、しばしばルール改正になってそれまでの泳法が使えなくなったりした。日本人選手を勝たせたくないために恣意的なルール改正だったのかどうかはわからない。それが日本の水泳の低迷の一因になったのかどうかもわからない。

 それが現在では北島である。体力面は欧米人と遜色がなさそうだし、精神面も図太い。少々デカイ口を利くと思う人もいるかもしれないが、かつての日本代表が「楽しんできます」などと言って、本番ではボロボロの成績しか出せなかったを考えれば、有言実行はたいしたものである。


 そういえば、水泳はまだ世界新記録が更新されることが多い。泳法の進歩もあるだろうが、競泳着の変化も大きいのだろう。昔は男子の競泳着は吊るしタイプだったが、それがミニパンツに変わり、少しでも水の抵抗を小さくするためにスキンヘッドにする選手も多かった。それが今では再び吊るしタイプと、頭にピッタリの帽子をかぶるようだ。今の競泳着は素材は知らないが、人間の素肌以上に極限まで水の抵抗をなくし、魚の肌に近いように水を切るものではないかと思える。