新人スタート日

 4月はじめの月曜日ということもあって、どの組織でも入社式、辞令交付式が行われたようだ。あまり改まった入社式などを経験したことのない身としては、ある意味うらやましいようだが、一見前途洋洋に見えるが、さまざまなことが連想させられる。


 今年はこれまでの長い不況から脱しつつあることもあり、一般的に民間では新規採用の人数が増えたところが多く、逆にお役所のように採用が減少している場合もあるようだ。数年前までの新卒が就職の厳しさに苦しんだことを考えれば、時代のめぐり合わせで何か不公平な気もする。組織が生き残るために徹底したリストラを行い、切捨てを行った後に新人を入れて活性化をはかる。組織の論理としては当然だろうが、その結果、中途半端に投げ出された人々が増加し、社会の基盤が歪みつつあるように思える。若者のニート化も無関係ではあるまい。


 新人といえども、昔のような終身雇用の意識は薄れ、今では数年のうちにやめる人間も少なくないだろう。実力のある人間がステップアップしていくばかりならよいが、現状はそう甘くはないだろう。これまで増加したニートと、転職を繰り返す者が混ざり合って社会全体としてどういう方向に向かっていくのか、予想がしにくい。これまでのような「勝ち組、負け組」の単純な色分けに対する反動のような流れが起きるような気がしてならない。