井川散々デビュー・松井故障者リスト入り

 松坂に続き、ヤンキースタジアムでメジャーデビューした井川だったが、5回までなんとか投げたものの押し出し四球や本塁打を打たれて7失点のさんざんのデビュー戦になったようだ。松坂が上々のデビューをした後だけに、その比較でニューヨークマスコミから、ヤンキースは投資に失敗しただのとの叩かれようらしい。

 それでも井川自身は落ち込む様子もなく、淡々と分析していた。最終回のAロッドの逆転サヨナラ満塁本塁打にも、選手らの輪の中心に参加して祝福していた。このへんの精神面の強さが阪神で鍛えられた部分なのだろうか。阪神で初登板のときも、中継ぎで一死も取れずに降板したが、その後サヨナラ勝ちになったといういわくがある。何か不思議な強運が身に付いているのかもしれない。ちなみにそのときの阪神は野村監督。当時もだが、今回のデビュー戦にも相当呆れていたようだ。
 原因はわからないが、本来の投球ではなかったことは確かだろう。しかし本来の投球ができたとしても、メジャーでどれだけ通用するのかはまだまだ未知である。たった1試合で、松坂の明と井川の暗が際立ってしまったが、どちらも真価が問われるのは、まだこれからだろう。日本人的は、ブーイングまで浴びた井川が、ここから巻き返す姿を浪花節的に見てみたいものだ。


 ところで、井川デビューとAロッドのど派手な満塁本塁打の陰に隠れて、松井が試合中に途中交代、軽い肉離れとかで故障者リスト入りとなり、15日間の欠場となってしまった。昨年の大怪我以来、なにか怪我に弱くなってしまったのではないかと感じる。もっとも連続試合出場を続けていた時期に比べて、30歳も過ぎれば過去の肉体の酷使や金属疲労のようなものが現れ始めるのかもしれない。特定の部位の怪我がきっかけとなって、あちこちの怪我が顕在化するというか、怪我がクセみたいになるのだろうか。今年こそは、という本人と周囲の期待も大きかっただけに、なんとか復活してきてほしい。

 春先の出だしは勝敗はともかく、レッドソックスに比べてヤンキースの日本人の方は、あまりぱっとしない。全員が絶好調ということはないだろうが、早く投打が噛み合った迫力のある試合を実現してほしい。