地球温暖化対策に新技術?

 「おいおい、本当か?」と目を疑うような記事があった。地球温暖化の要因である二酸化炭素を吸収する機器がコロンビア大学で開発されたという。

温暖化対策に朗報? 大気から二酸化炭素を吸収できる新技術

二酸化炭素をどんどん吸収して固定化してくれる(やや意味不明だが)という。発電所みたいな大きな設備を必要としないみたいだから、ソーラー発電ではないが世界中のいろいろなビルにでも並べておけば、二酸化炭素が少ないきれいな空が実現するというわけか。まさか永久機関ではあるまいな(笑)。


 冗談はともかく、地球温暖化の原因が近代の科学技術の発展だったとすれば、それを克服するのも新技術しか可能性はないだろう。もはや自然の回復力に頼るのは、あまりにも人間の存在が悪性腫瘍のようなものだから望み薄のようだ。特効薬か画期的な治療法が見つからなければ衰弱死を迎えることになりそうだから。

 それにしてもこの二酸化炭素を吸収する装置は何をエネルギー源として動作するのだろうか。もし電力で動くとすれば、電気を消費することによって、また二酸化炭素が排出されることになるので、一方的に二酸化炭素を減らすことは原理的に不可能なはずだ。それがエントロピー増大の法則というものだろう。


 可能だとすれば、それは植物と同じように、太陽エネルギーを動力源として使わなければならないはずだ。ソーラー発電がそうであるように、太陽エネルギーは広く薄いエネルギーなので、なかなか大きな動力を生み出すのは難しいかもしれない。そうすると二酸化炭素を吸収する効率が上がらないことになる。そんなことが思いつかれて、いまひとつ信じられなかったわけだ。

 いろいろ模索してみたが、結局森林の植樹するのが一番だということがわかった、なんてことにならないとは思うが。