プロ野球セ・パ交流戦放送

 最近ではプロ野球の話題を出すだけでオッサンと見られるようなご時勢であり、ゴールデンタイムの野球放送もお茶の間では、若い人中心に敬遠されているという。


 それにも関わらず、昨日からセ・パの交流戦が始まったせいか、今日はNHK BSで楽天-ヤクルト、テレ東で巨人-日本ハム、それにローカル局でも1試合、なんと3試合も同時間帯に放送されていた。ただし、主要民放の日テレ、TBS、フジ、テレ朝は扱っていない。視聴率至上主義の局のなせるところなのだろう。TBSは例のごとく、亀田長男の試合中継だった。
 NHK BSといえば、朝からのメジャーリーグの中継で松坂だ、松井だ、イチローだとやっているわけだから、面白さでいえば当然、そちらの方に行ってしまう。


 よく見ると、日本の野球の話題は二極化されているようで、今日の先発だったマー君こと楽天・田中や日本ハムダルビッシュなどの新人や若手、それに早稲田のハンカチ王子こと斎藤が採り上げられる。一方は、王監督、野村監督、長嶋氏の動向や清原の怪我の具合だとか、ベテラン選手の記録達成だとか、何やら年寄りファン向けの話題ばかりだ。野村監督などは、勝っても負けても必ずインタビューの様子がTVに映り、「ノーコメント!」というコメントまで報じられる始末だ。


 つまり、中堅になるはずの世代の選手の話題が最も少ない。考えてみれば、その中堅世代のスター選手がこぞってメジャーに流出しているからだ、ということに気づく。そうするとファンの方も、プロ野球が人気のあった頃の中高年以上の世代と、ハンカチ王子に注目するファン層(おばさん層?)だけで、中核の世代は空洞化しているか、メジャーだけに関心がいってしまった、ということになるのかもしれない。


 プロ野球3試合、ボクシングと放送があったが、実は一番見所があったのは世界卓球だった。14歳石川佳純と「卓球界のマツケン」こと16歳松平健太の男女混合ダブルスのペアには、さわやかさと強さがあった。混合ダブルスといっても、相手の男子選手のサーブやスマッシュを石川も受けなければならなくて大変だが、全く動じる様子もなく、見事なスマッシュも決めていた。世界を相手にする姿は、若い子には刺激を受ける内容ではなかっただろうか。


 プロ野球が老齢化し、これまでマイナーに見られていたスポーツでは新しいスターが誕生し、新たな映像コンテンツとして、メディアの中でしのぎを削る時代になってきたのかもしれない。