参議院選・野次馬予想

 政治の話題は好かないのだが、たまには競馬評論くらいの感覚で参議院選を予想しよう。

自民惨敗18減、民主も「目標」遠く…参院選予測

 大方の予想通り、今回は野党の方が上回るだろう。ただでさえ、小泉劇場自民党が勝ちすぎで、その反動が来るだろうと予想されていたところに、年金問題やら松岡大臣の自殺やら変な問題が沸き起こって、風雲急を告げるようになった。結果は自民党議席を減らすにしても、問題はその負け方とか、その後に起こることだろう。


 年金問題にしろ、急にそれが参議院選の争点になるというのもおかしな話だ。安倍総理があれほどこだわっていた憲法問題はどうなったのか。国民投票になれば、いつでも憲法はフリーハンドで変えられるような気分になったのだろうか。


 選挙前にはいつも無党派層の動向が問題だと言われる。だが、10年も経てば無党派層の内訳も変わる。保守的な発想の老人層がいなくなり、10代の若い層が新たに選挙権を持つようになるのだから、有権者の1/6くらいは置き換わる計算だ。

 前回の総選挙で予想外に自民党が大勝ちしたのは、ヨン様人気のようなおばさま方の小泉劇場人気だったか、それよりも小泉劇場を支持していたのは、新しく有権者に加わった20代の層の支持ではなかったのか。その結果、大量の小泉チルドレンだかタイゾー議員やら、何でもありの議員が生まれた。

 と考えると、今回の参議院選の争点になりそうな年金問題は、この年代の関心にはなりそうにはない。20代有権者投票率を上げることがあれば、自民党年金問題そのものでそれほど大敗ということにはならないかもしれない。 


 「国会答弁のような」という形容は、禅問答などと同様に、昔から中身のない答弁を揶揄することを意味していたが、最近の国会答弁は、とみに揚げ足取りの議論ばかり目立つようになった。質問する方も答える方もそればかりで、こんな議論を聞かされるために税金を払ったり、NHKの受信料を徴収されているのかと腹立だしくなることもある。これも小泉前総理の「人生いろいろ」あたりからの「開き直り的答弁」が際立ってきたような気がする。キャラクタは違うが、安倍総理もその手法にあやかろうとしているようにも感じられる。その開き直りがカッコイイと思える人もいるのかもしれない。ドラマか何かで啖呵を切るのと同様である。

 それをまたマスコミが、これでもかとばかり、くり返しそのシーンばかりを流す。国民もウンザリして、政治に対して荒んだ気分になってくる。長い間政治不信」と言われるが、それを一番助長しているのはこうしたマスコミの演出である。もちろん、むしろ大衆をネガティブな方向に扇動する意図があってのことかもしれない。


 自分の投票のポリシーとしては、政党の支持よりも、しっかりしたベースを持つ個人に投票したいのだが、なかなかそういう人物が自分の投票区で立つことは少ないし、投票しても死票になることの方が多い。しかし、わざわざ「自民党」や「公明党」と書きに行くために投票所に足を運ぶ気分にもなれない。

 政界は波乱が生じた方がよい。形ばかりの新党ではダメだが、以前のプロレス団体抗争のように新団体が勃興し、旧団体と抗争を繰り広げる方が活気づくし、必死でマニフェストとやらの実現にも働くだろう。というわけで、批判よりも波乱を期待する。