パイレーツ桑田、ついにメジャー昇格

 39歳という年齢で、ただでさえ難しいと言われたメジャー入りの挑戦中に、審判と激突して負傷してしまい、さすがにもう駄目かと思われていた桑田が、マイナー3Aでの調整中に電撃的にメジャー昇格が決まった。いきなりインターリーグヤンキース戦さなかのチームに合流する。日本時間の深夜に、マイナーの遠征先へのチケットはキャンセルして、急遽ニューヨークに向かうことになった桑田の空港での姿がテレビに映っていた。

桑田電撃メジャー昇格、松井と対決も(日刊スポーツ)
パイレーツ・桑田がメジャー昇格!夢の舞台で「18」背負う(サンスポ)
「ようやくここまで来た」 桑田、試合前に喜び語る

 そしてメジャーで付ける背番号が、当初の「52」から、なんと「18」に変更された。怪我から復帰の1Aでの登板では、首脳陣のイキな計らいで「18」で登板した桑田だったが、まさかメジャーでも、マイナーに降格した選手の背番号を変更してまでも、桑田の背番号を「18」にするとは思わなかった。


 これもパイレーツ球団が、日本での桑田の実績を知ってはいたものの、マスコミやファンが、まさかこれほどマイナーに過ぎない桑田を見に駆けつけてくるとは思いもよらなかったのだろう。その「レジェンド桑田」に敬意を示し、その人気にあやかろうとする計らいだと思いたい。

 ブルージェイズの大家とオープン戦で顔を合わせたとき「いい背番号を付けているなあ」と冗談まじりに「18」を付ける大家の背中をさすって羨ましがってみせていた。ところが、その大家の方は不調のため、突如、戦力外通告を受けたばかりと、メジャーでは明日という日はわからないものだ。桑田にしてもメジャーで通用する投球ができなければ、すぐにマイナーに逆戻りということも、十分にありうる。


 ヤンキースでは、奇しくもこちらも伝説の44歳クレメンスがパイレーツ戦で復帰したばかりである。残り1試合だが、中継ぎ投手が次々と投入されるような試合展開次第では、明日、桑田の即登板、松井との対決が実現というのもありうる状況だ。松井自身もやりにくいと言っているが、正直心情的には見たくはない対決である。


 桑田の場合は、日本での経験が、それもすでに巨人からは戦力外とされた実力が、どこまで通用するかである。斎藤隆が成功している例もあるし、どん底から這い上がった桑田のプロ中のプロの投球術の真価が発揮されることを期待している。