オールドルーキー桑田メジャーデビュー

 続報的に桑田の動向。すでに各メディアで報じられたように、メジャー昇格、ヤンキース戦で即登板となった。5,6回の2イニングを投げ、1年前には思いもよらなかったジーター、Aロッド、松井との対戦までヤンキースタジアムで実現してしまった。

桑田が夢のメジャーデビュー「野球の神様ありがとう」(サンスポ)

 投球の方は、ジーターらを無難に討ち取ったものの、Aロッドに2ラン1発を食ってしまう。互いにデータがないところでしてやられたが、場面が違っていれば、また違う結果にもなっただろう。しかしメジャーで浴びた初安打、初ホームランがメジャーを代表するAロッドというのも、後になれば歴史に残る話となるだろう。


 そして、まともには見てはいられない松井との日本では見られない「夢の対決」である。「ホームランだけは打ってくれるな」というマウンド上での気持ちの桑田と、どんな相手にも同じような精神状態で臨むという松井の方も、このときばかりはさすがに平常心ではいられなかったようだ。
 結局、1度もバットを振ることもなく四球となったが、桑田が振れるようなボールを投げなかったこともあるが、ストライクが来たとしても、松井はまともに振れただろうか。どこかに遠慮のような気持ちが働き、フルスイングはできなかったように想像してしまう。

松井秀、大先輩・桑田と初対決「ボクにとっても大きな思い出」

ともあれ、初対決は向き合っただけで終わった。松井は「ずっと桑田さんの後ろにいたのに、向き合って不思議な気持ちになった」「ボクにとっても大きな思い出になる」と語った。これも歴史に残るシーンとなった。


 パイレーツの選手が、桑田のメジャー昇格を知らされると、群がる日本の報道陣に「ヤンキースにはクレメンスが帰ってくる。われわれにはクワタが帰ってくる」と冗談めかして言ったそうだが、まさに日本人にはそれくらいドラマチックに見られている。

パイレーツ首脳陣、桑田デビュー戦に高評価「ドラマチックだ」

 そして日本で先輩、後輩、同僚だった選手や監督の反応も興味深い。桑田はメジャー昇格の第一報を真っ先に直接連絡したのは清原だったそうだ。この2人の繋がりも他人からは窺い知れないものだ。古女房役の村田コーチなどは、バッテリーで苦労をともにしただけに、我がことのように喜んでいる。

清原「初球直球に桑田の魂」(日刊スポーツ)

 しかし、こんなドラマを見せつけられては、ますます日本のプロ野球はマイナーなものに見えてしまってしかたがない。さて、メジャーのオールドルーキー桑田のドラマは始まったばかりだ。