日本のネット人口が8000万人超える

 日本のネット人口が8000万人を超えているそうで、いつのまにかという感じがする一方で、そんなものだろうなという感じもする統計だ。

日本のネット人口は8000万人超、全人口の6割が利用 インターネット白書

 いわゆるインターネット白書という、総務省経済産業省の外郭団体になる財団法人インターネット協会の統計である。調査の手法は定かではないが、国勢調査みたいなものに近いと思ってよいのか。
 最近は見たことがなかったが、統計の数字とかグラフが使用できるので、何かのプレゼンのときに「最近のネットの普及は・・」とか「携帯電話は普及は・・」といった話をするのに利用できると思ったことはある。


 人口8000万人と一口に言うが、就学前の幼児などを除けば、未経験者は事実上老人だけなのではないだろうか。これはもう数的には、今や100%に近い、かつてのテレビや電話の普及に近づいていることになるだろう。

 テレビや電話は使用する目的が単一だからわかるが、ネットの普及とはそもそも何が普及しつつあるのか、目的があまりはっきりしない。「インターネットする?」では何をするのか、よくわからないということだ。ネットは多目的でもあり、今後はテレビや電話とも置き換わることにもなりそうだから当然だが、そもそも導入の目的や動機がどうなのだろうか。

 ネットの導入といっても年代や始めた時代によって、その目的はだいぶ異なる。今どきメールをやるためにネットを始めたという人は少ないだろうし、むしろケータイから始めたが、長い文章が書けないのでPCでネットを始めたということならありうるだろう。

 10年前だったら、PC利用の延長としてネットに接続したがったものだ。もともとワープロやゲームをやりたい目的でPCを購入したものが、インターネットなるものができると聞き、その導入手順や設定がわからずに苦労したということもありえた。


 現在では間違いなく、新しいPCを買う目的はインターネットをやるためであろう。売るほうも買ったその日からネットに接続できるようにサービスをするし、PCはネットの端末装置に過ぎないことになった。ネットに繋ぐ目的も、もはや死語ともいえるネットサーフィンから、ネットショッピングやオークション、ニュースや日常的情報の入手、ブログやmixi、そして動画と変遷しつつある。


 普及の年齢層では、退職後の老人が新たにネットを始めるというのはなかなかハードルが高いが、会社でPCとネットが導入されている会社にいる高齢者では、仕事上少なくともメールなどはやらざるをえないわけで、自動的にネット利用者の統計にカウントされるわけだ。

 子供の方は、たとえ家でPCが使えなかったとしても、今や小中学校からネットを利用させられている。自分はあまり賛成ではないが、たとえば社会科のような授業で「調べ物学習」をGoogleでやりなさい、などという宿題が出されるのだそうだ。おかげで大学生くらいになっても、ろくに専門書も読まずに、ネットからコピー&ペーストだけしてレポートを提出するような学生が増えた、と大学の先生が嘆いている。確かに、Wikipedia情報が絶対だと信じらたりするのも困ったものだ。


 白書の分析の中の話題では、YouTubeSecond Lifeなどは、利用の仕方としては一般的にはまだまだだろう。自分も「アカウントは持っているがほとんど使っていない」うちの1人である。現時点では使う必然性がないからだ。


 昔は生まれたときからカラーテレビがあった世代、PCがあった世代と、どう発想が違っていくのかということが考えられたが、今は生まれたときからWebやケータイで世界が繋がっている世代に占められたときに、世界はどう変わっていくのか、ということを思いをはせる。もっともその頃は、そうでない世代は死に絶えているので、誰もそんなことは考えもしないか。