動画中継サービス Orb 日本語版

 またWeb2.0らしいサービスが始まっている。動画中継サービスという触れ込みの Orb(オーブ)というのだそうだ。自分だけあるいはグループの人間と、簡単にファイル交換ができそうである。

自宅の動画をネットで視聴、無料の「Orb」日本語版がスタート


Orbのログイン画面


 さっそくOrbのサイトから配布ソフトをダウンロードしてインストールしてみた。デフォルトでは[マイドキュメント]の[マイピクチャ]や[マイビデオ]などが、ファイル取り込みの対象フォルダとなる。最初はなんだかわからずに、そのままインストールを始めたが、ログインするとマイピクチャにある画像などはWeb画面上に、あれよあれよというまにランダム表示されてしまう。


マイドキュメントフォルダが共有されるデフォルト設定


 後からも共有するフォルダを変更できるのだが、メニューがわかりにくい。結局トレイのアイコンから右クリックして、やっと設定の変更ができる。
 まず、共有するフォルダをすべて無効にした。その後、新規に空のローカルフォルダを作成し、必要なファイルだけを投げ込んでおく。


 そして、インターネット接続されている自分の他のPCのブラウザからアクセスしてみる。動画はストリームとしても再生できるし、ダウンロードもできる。また逆に、対象フォルダにアップロードすることもできるし、削除もできる。動画中継というよりクライアント間のファイル交換そのものである。もちろん文書ファイルやどんなファイルでも交換できる。Webカメラなどを設置して、リアルタイムでのストリーミングも可能だという。Webカムがないので、これはまだ試していないが、いずれにしろ手間はかからない。


 しかし、自分のコンピュータのローカルフォルダからこんなに簡単にファイル交換ができてしまうのは、ちょっと怖い。実際、すべてのローカルフォルダを登録していて、IDとパスワードが知られてしまうと、ローカルフォルダの中のファイルがネットを通じてすべて流出しかねない。またうかつに共有設定してしまっても同様である。素人が便利だと思ってやみくもに使うと、Winnyではないがちょっと危険だと感じる。


 ユーザが増えてくると、セキュリティの問題や大きな動画の転送の問題が生じてくるような気がする(HTTPあるいはHTTPSだけで転送している)が、Web2.0でのコンテンツ提供方法がまた1つ増えた感じである。昔のファイルサーバーの発想が、手軽なビデオサーバーになったようだ。これから、個人の動画の流通もますます容易になりそうだ。