高い東京の携帯通話料

 日本の携帯電話は世界に比較して、進んでいるのか遅れているのか。少なくとも携帯料金だけからいえば、やはり後進国といってもいいのではないだろうか。特に東京は世界の中でも、高い携帯電話料金を誇る?都市と言ってもよさそうである。

東京の携帯通話料、NYの3倍、ソウルの2倍 (asahi.com)
 それぞれの利用時間をもとに、各地の代表的な電話会社の最も有利な
料金プランをあてはめ、基本料も含めた通話料を1分あたりに換算すると、
東京は39.4円と、ロンドンの48.2円、パリの40.9円に次ぎ、
7都市中3番目に高かった。一番安かったのは、月550分までの定額制
など長時間かけ放題が一般的なニューヨーク。発信側と着信側の双方に課
金されることを考慮して、料金を2倍しても11.7円。次いでソウルの
19.2円だった。
平均的な利用者の月額料金で比べると、東京は3800円で4番目だった。

残念ながら、ロンドンやパリよりは安いからいいじゃないか、という広い心は持ち合わせていない。日本により近い関係にあるニューヨークやソウルよりも高くなるのはどういうことか。日本では携帯電話のためのインフラ整備のもとを取るのに、あとまだ何年もかかるというのだろうか
 これはNTTと旧郵政省時代以来からの通信政策の歪が、いまだに尾を引いている気がする。もともと通信分野では自由競争がなかったわけだから、その感覚で高い基本慮金、あるいは設備費用を利用者に負担させてもいいだろうとする、高速道路料金を維持する道路公団みたいな体質だったといってよい。


 最近でこそ、ソフトバンク価格破壊的な料金プランを仕掛け、auも割引攻勢を強めて、ドコモもそれに対抗せざるをえないようになっているが、あまり長期的、国際的な戦略はもともとなかったように感じる。
 
 通信の世界は日進月歩だから、状況は次々に変わるとはいうものの、携帯電話の基本料金が高いのは国際的に見ても、やや異常である。日本の携帯電話は海外に持ち出しても、そのままでは使えない。これは決して当たり前のことではない。PCでは現在は、決して許されないことである。携帯電話会社は、新規契約者や機種買い替えばかり推奨しているが、地道に使い続ける利用者には優しくはない。国内では通信料金は、NHKの受信料のように、いわば税金のように取られるものだと思っている人は多いが、どうもおかしいのではないかと、そろそろ気が付き始めているだろう。


 ソフトバンクKDDIには、本来の自由競争である基本料金の部分での競争に大いに頑張ってもらって、国際標準の部分でも日本が孤立せずにすむような方針を取ってもらいたい。それに対して、ドコモがドコモ2.0などとピントはずれなことではなく、必死になればなるほど、日本の携帯事業もより健全な方向に向かうことになるだろう。