著作権の保護期間延長問題

ネット時代になって、さまざまなところで著作権問題の見直しをする意識が高まってきているようだ。ソフトウエアの著作権などに比べれば、かなり違和感を覚える議論である。

著作権の保護期間延長問題、権利者側への反論相次ぐ――文化審(PConline)

欧米は作者死後70年だが、日本は50年となっている。これを欧米に合わせて70年に改定せよという主張らしい。何でも欧米追随を目指すのがこれまでの日本の方針だが、これはいかがなものか。海外発の著作物で70年たっていないものを、日本国内では50年過ぎたら売り出すのは問題があるだろう。だが、日本発の著作物をもっと期間を短くして、世界にも広めるという可能性の方が文化としては重要なのではないか。


ちょっと前に、たまたま芥川龍之介の作品をWebサイト (青空文庫)で見て感動した。昔、文庫本を小さい書店まで探し回ったのだが、絶版になっていて手に入らない作品もあったからである。今ではネットでも読むことができる。重要なことは、デジタル文書化に協力するボランティアが多数いるということである。文化を継承するとはそういうことだろう。著作者本人でない一部の権利者に、ただお金を払い続けていくことではない。