Webアプリ版Photoshop公開はいつか

 Webアプリ版(SaaS版)Photoshop提供予定が発表されてから、すでに半年がたった。6ヶ月以内にリリース予定ということだったから、そろそろ正式公開の時期かもしれない。切りのいいところで10月初めくらいだろうか。乞うご期待ということか、それに先立ってスクリーンショットが公開された。

SaaS版Photoshopのスクリーンショット公開 (@IT)
担当者ブログ(John Nack)

Photoshop Express という名称になるそうだが、最近はフリー版はなんでもExpressを付ける傾向にあるようだ。スクリーンショットだけ見せられても機能的なことはわからないが、デスクトップ版のPhotoshopとは見かけ上は全然違うもののようだ。同じPhotoshopと呼んでいいのかと思いそうだ。


 すでに先に動画編集のPremiereのWebアプリ版の方が、YouTubeの中に提供されていてPremiere Express (Remixierと呼ばれていなかったか?)というそうだ。動画編集ソフトの方が先というのは、やや意外だが、AdobeにとってはPremiere Expressの方は簡易版であり、むしろ生命線のPhotoshop Expressの方に力点がかかっているのかもしれない。Adobeの主力はやはりPhotoshopなのだろう。


 Web2.0時代になって、ブログやSNSはじめ続々と新しいWebサービスが生まれ、かつ従来のデスクトップソフトもWeb版(SaaS版)へ移行してきた時期だといえる。ちょうど15年くらい前からコマンド入力の独自画面のソフトから、Windows版のGUIソフトに移行してきた時代に似ているともいえる。コマンドの時代には人気が高かったソフトでも、GUI版への移行がしっくりこなくて、急速に衰退していったソフトもあった。同じように、現在ではSaaS版にうまく移行できないソフトは、生き残っていけないかもしれない。


 ところがSaaS版は無償提供が基本となり、従来のライセンス使用による利益をどこから回収するのかという問題があるだろう。入門はただだが、より専門的、業務的利用には有償版ソフトへの登録ということになるのだろうか。また有償版にしても、機能的にすべてSaaS版に移行が可能になるのだろうか


 デスクトップ版の代表格であるOfficeソフトとグラフィックソフトがすべてSaaS版に移行したとすれば、それはソフトがデスクトップ版からSaaS版へ完全移行することを意味するだろう。我々はブラウザとネット接続だけの準備があれば事足りることになり、それがWeb2.0時代では普通の姿になることだろう。Web2.0時代の進行のインジケータは案外Photoshopが握っているかもしれない。