ドコモの定額データ通信サービス

 ドコモがやっとデータ通信用の定額通信サービスを発表したようだ。個人的には遅きに失したという感しかない。@FreeDを勝手に廃止され、その通知への返事をしていなかったというだけで、PHS契約そのものまで勝手に解約されられていたという驚くべき経験をしているからである。本当にこれには腹が立った。どちらにしろPHSは廃止されるので、代わりになる携帯の定額サービスはないのか、と窓口でゴネたことがあったが、全く未定だと言われたのが何年も前の話である。それが今頃出てきたようである。

ドコモ、最大10,500円でPC向けの定額データプラン (ケータイWatch)
ご利用料金(NTT Docomo)

相変わらず料金が高い。それももったいぶったようなサービス内容である。今のネット時代にいったいどういう顧客を見込んでいるのかと疑ってしまう。
 ドコモによると、「PHSの代替サービスは提供する予定だったが、高速かつ安心した定額サービスへの要望もあり、新たな顧客獲得やデータ通信の普及といった点から、定額データプランHIGH-SPEEDの導入を決めた」とのことであり、自分のような古い貧乏PHSユーザは簡単に契約を打ち切られたわけだ。


 料金もさることながら、全く時代遅れなサービス提案としか思えない。下り最大3.6Mbpsと謳っているが、光だと100MB、ADSLでも50MBの時代である。それでも月数千円である。今時、速さなど実質売りにはならない。しかし、モバイルで外ででも、ノートPCでいつでもインターネットができます、などと思わせるのも時代遅れである。電車の中とか森の中とか海水浴の海岸とかでも想定しているのだろうか。


 インターネットの常時接続が常在化して、今は建物や会場など大事な場所ではどこでもLAN接続や無線LANのアクセスポイントへの接続が可能になっている。ノートPCをわざわざ持っていくのは、ほとんどそのような場所に行くときである。ホテルでも、今ではLAN接続ができないところは予約は入らないだろう。わざわざデータ通信カードを使う必要は緊急時以外はほとんどない@FreeDのカードは無線LANにも使えたが、今のノートPCは無線LAN機能が内蔵されているから必要はない。データ通信専用に頻繁に使うのはビジネスユーザだと思って大きく出ているのかもしれないが、そういうユーザのネット環境は、もはやはるかに整備されているのだ。ドコモが入り込む余地は少ないだろう。


 であれば、もっと仕事とは関係のないお遊び的な部分のサービスのために、料金を低くして音声通話機とPCとの関連の部分の方が可能性があるのではないか。ドコモではやっぱり無理だろう。結局、iPhoneが日本に上陸して旋風でも起こさない限り、気がつかないだろう。ソフトバンクさえ、今回のサービスには追随しないことを早々と表明している。狙っているユーザ層が違うということだろう。

ソフトバンク、ドコモの定額データ通信プランに対抗せず

 自分は現在は従量制で384Kのパケット通信をたまに使うだけである(せいぜい正月に帰省したときとか)。パケット代がかからないように、ブラウザでは画像表示オフにしてブログの更新をしたりする。ニュースサイトを見るのも文章だけで十分だったりする。


 新料金プランでは64Kの定額サービスで十分だろう。結局、速さもPHS時代に逆戻りである。しかし、ただそれだけでなく機種の問題、ソフトの問題、そして対応プロバイダの問題など、まだまだ問題はいっぱいありそうである。魅力がない高額のサービスを使うのに不便な難関だらけというのも変な話である。