ネットなしには生活していけない?

 米国の調査ではあるが、やや身につまされる調査結果があった。もはや1日たりともネットなしでは生活していけないような人々が世の中には増えてきているようだ。まあ、ちょっとストレート過ぎなタイトルではあるが。

友人よりセックスよりネット――米ユーザー調査(ITmedia)

 ネットというよりWebへのアクセスなしに、どれだけ過ごせるかというアンケートのようだが、1週間もという人はだんだん少なくなり、1日でも禁断症状が出てきそうな人が増えていそうだ。その理由はなんとなく世間や周囲から取り残され孤独になっていくように感じられるからだという。それを満たすには、リアルな友人関係や人との付き合いの時間を減らしてでも、Webへのアクセス時間を増やす傾向にあるらしい。ネットに繋がっていないと生活に大事な何かが欠けていると感じられるからだという。
 これなしではやっていけない、というメディアは

インターネット > 携帯電話 >テレビ・新聞・雑誌

の比重になっているらしい。さらに携帯に求めるインターネットへの要求が高まっているという。それがiPhoneへの期待へと現れているのだという。


 米国の調査なので、日本国内にはそのままは当てはまらないが、実際に人に会ったり、直接電話で声を聞きながら会話する時間というのは確実に減っていると感じる。
 古い世代は「やはり会って直接話をしないと真意が伝わらない」とか、すぐに電話一本で解決みたいな傾向があるが、果たしてそれが相手にとっては、いつもウェルカムな状況かどうかはわからない。


 若い人はネットやWebというより、携帯からのみネットを経験しているので、Webの世界の感覚がわかっていない人が多い。1日に何10通も携帯でメールをやり取りする感覚は大人にはない。人間関係を何でも携帯だけで解決しようとする傾向にあるが、これも困った感覚である。急な電話も困るが、あまりに頻繁なメールもスパムとたいして変わらない


 また国内では、PCやネットに時間をかけているのは、あまり人との交流を望まない「オタク」であるという認識が強かった。米国のように普通の人がネットによって人と触れる時間が減ったと見るのとは、やや社会の風潮が違うかもしれない。つまりモテない、引きこもりだからネットをやっていると見られる。昔の「テレビっ子」という言葉も死語になりつつあるかもしれない。


 いずれにしても、まだまだこの傾向は増していくだろう。どのメディアをどういうバランスで利用すべきかというものに正解はない。メディアの形態もまだまだ変化する可能性もある。ただ技術の変化によって影響は受けるだろうが、人間の基本的な生活観まで左右されたくはないものだ。