テレビからWebへは進行するか
米国ではテレビ局がWebへの舵を切り始めてきているようだ。人気番組を無料でダウンロード提供できるようにするという。本来のテレビにとっても視聴率が下がるどころか、逆に従来番組の視聴率を上げる効果があるのだという。
「テレビからWebへ」に向けてアクセルを踏む巨大テレビ網 (ITmedia)
すでにテレビは一般家庭に至るまで100%の普及率になっているものだが、近年はネットやゲーム、あるいは携帯に時間を奪われ、ゴールデンタイムの時間ですら視聴率は下がり続けている。特に視聴率至上主義の民放にあっては、視聴率の減少がスポンサー離れを招き、番組制作の予算が減り、番組の質の低下を招き、さらに視聴率が下がるという負のスパイラルになりかねない。
それに加えて、テレビが全盛時代のおごりがテレビ局の体質にあるように思えて、偏った報道番組や芸能人出演番組が視聴者に敬遠されつつあるような気がしてならない。
米国と日本の違いは当然あるだろうが、米国の方があらゆるジャンルでネットやWebに対する反応には敏感である。テレビ局がいち早く、Webの利点をテレビ側に取り込んで、逆に元来のテレビのテコ入れに利用しようとする発想はやはり米国ならではある。同じようなことは、大統領選で候補者と有権者のやりとりにYouTubeを取り入れているシーンを見たときも感じた。
日本では米国の方で話題が進めば必ず影響されるだろうが、必ずやれ著作権だ、既得権だのと足を引っ張る要因が多いだろう。特に形ばかりの「放送と通信の融合」とやらで、放送局の買収にばかり走りたがったライブドアや楽天の事件が、今後の方向に影を落とすような気がしてならない。