ヤンキース松井終戦

 奇跡は起きなかった。ヤンキースがインディアンスに1勝3敗で敗れ、今季のプレーオフが終わった。ヤンキースにとってもトーリ監督にとっても、そして松井にとっても厳しいシーズンオフとなりそうである。

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 常勝が義務付けられているヤンキースは、昔の巨人のようなものだろうが、ニューヨークメディアやファンの厳しさは巨人のそれどころではないだろう。10年以上も指揮を執り続けたトーリ監督も、さすがに今回は退陣となるかもしれない。


 今季はとにかく投手陣が悪すぎたようだ。いくらヤンキース打線が強力とはいえ、1試合あたりに7、8点を簡単に取られてしまうような投手陣では、チームの勢いも乗らない。春先は井川も足を引っ張った部分はあったが、連敗を止めたりするなど、シーズンを通して働かせれば、それなりに日本での経験の力を徐々に発揮できたのではないかとも思えるが、それだけ投手陣全体の余裕もなかったのだろう。


 そして松井だが、30歳を過ぎて、やはり故障の影響が響くようになってきたようだ。昨年の手首の大怪我だけでなく、長年のひざや腰の故障の打撃にも影響しはじめているようだ。それでDHでの起用が増えたが、たまになら休めて気分転換にもなるかもしれないが、打席に立つだけでは試合勘のようなものが鈍り、結局打撃も精彩を欠くような気がしてならない。試合を決めるような一発があまり見られなかったのは残念だった。


 ヤンキースの札束で集めたFA選手でチームを固める編成方針がここにきて限界にきているのかもしれない。今後思い切った方針転換がなされれば、松井も契約が残っているとはいえ、来季はもうヤンキースに残っていられないかもしれない。そうなると大変残念ではある。