小橋建太、病気克服し復帰へ

 プロレスの鉄人・小橋建太が腎臓がんを克服して、リングに帰ってくるそうだ。昔から特にファンというわけではなかったが、この人の背負ってきたものは大きいと感じていた。

【ノア】小橋、腎臓がんから復帰へ!高山とVs三沢・秋山組
小橋が戻ってきた!12・2高山と合体

 決して器用とは言えないが、ゴツゴツとした古いスタイルのプロレスとしては、この人が最後のようにも思える。それが「絶対王者」などとも言われたゆえんだろう。
 猪木派の新日本プロレス、馬場派の全日本プロレスがライバル関係で、かつてはプロレス界が盛り上がっていたが、現在は猪木も新日本を離れ、全日本も馬場の死後、かつての主力選手らは今はノアに移籍してしまっている。同じく移籍はしたものの小橋は事実上、馬場を受け継ぐ最後の全日本出身レスラーと言えるだろう。この人は、もっともジャンボ鶴田とダブって見えてしまうところがあるのである。


 馬場の後を継ぐのが既定路線だったジャンボ鶴田は、馬場の死去からわずか2年後に亡くなり、全日本は求心力を失っていった。馬場は還暦まもなく腸のガンで亡くなり、鶴田は肝臓ガンのために移植手術中に49歳の若さで亡くなった。そして彼らの弟子でもある小橋が40歳で腎臓ガンに侵されてしまった。思えば鶴田が肝炎を患って一線から引いてしまったのも、ちょうど40歳の頃だった。また最近では、橋本真也が急死したのも40歳だった。


 ただでさえ、プロレス人気が衰退している時期にこうした不幸が続いているようで、何ともやりきれない気分になった。しかし、そこで小橋が執念の復活をする。決して無理はしてほしくはないが、馬場、鶴田と続いたプロレス界の不幸、それに同年代の橋本の不幸なども振り払ってくれると思いたい。