レッドソックス世界一に岡島あり

 レッドソックスが4連勝でワールドシリーズ制覇。松坂、岡島の2人の日本人メジャーに改めてスポットライトが当たる結果となった。

レッドソックス4連勝!松坂、メジャー挑戦1年目で世界一に輝く
岡島、初の2戦連続被弾…悔しさいっぱいも充実の1年に号泣

 入団前から法外な移籍金で騒がれた松坂は言うまでもないが、アメリカ人のメジャーファンにとって、結果的にもっと驚かされたのは岡島のシーズン通しての活躍だったろう。当初は「松坂の話し相手」のために獲ったような失礼なことさえ言われたが、どうしてどうして、打線が強力なメジャーの中で、炎上しやすい中継ぎ投手陣にあって、安定したリリーフでシーズンを通して試合を作ってきた岡島の存在は大きかった。スポーツ記者の中では年間MVP候補とまで言われているそうである。


 岡島といえば、巨人・長嶋監督時代はよく起用はされるものの安定感がなく、頼りなく感じられたものだった。それでも使い続けたのは長嶋監督がその素質を買っていたということだろう。その後不調のせいもあって日本ハムにトレードされたが、そこで安定感を示し優勝にも貢献した。日本では3回も日本一の経験をしていたことになる。そして投手はメンタル面が大きい。巨人時代から事実上、もっとも桑田に傾倒して師事していたことが大きかったのだろう。その意味では、岡島の活躍の陰に桑田あり、であるとも思いたいものだ。そのレッドソックスの投手コーチが次期パイレーツの監督になりそうだとのことだが、今度は、岡島の師匠・桑田を再び使ってみてくれはしないだろうか。


 それにしても今年の松坂、岡島、昨年の田口、一昨年の井口と、新人日本人メジャー選手があれよあれよという間にワールドシリーズ制覇まで行ってしまった。
 一方で、ずっと期待され続けてきたイチロー、松井、そして野茂にしても、ワールドシリーズには縁が薄いようである。全メジャー30球団の中の1位になることは、やはり並大抵なことではない


 しかし松坂は昨年はWBCで優勝、岡島は昨年は日本シリーズでの優勝と2年続けての頂点である。結果的は、その大舞台での経験が生かされたとも言えるのだろう。日本人メジャー選手として、確実に歴史に残る偉業だった。