Google が「Android」を発表

 これまで謎に包まれていたか、もったいぶっていたのか、やっとGoogleが噂された「GPhone」の正体を公表したようだ。11/6の一般紙の朝刊にも載っていた。ハードウェアではなく、携帯のオープンプラットフォームであるということである。さて、GoogleはPCのネットのように、携帯電話の世界にも旋風を巻き起こすことができるのだろうか。

ベールを脱いだグーグルの携帯電話プラットフォーム「Android」(CNET Japan)
Google、携帯向けオープンプラットフォーム「Android」発表 (ITmedia)
Googleのモバイル計画、間もなく発表

 Androidは、Googleが買収したモバイルソフトウェア企業の名前だということだ。アンドロイドというと、子供向けのSFアニメに登場してくる人造人間を想像してしまうが、アメリカではどうなのだろうか。
 PCと違って、メーカーによって独自OSになっている事情がある携帯電話に、オープンソースのOSおよびアプリケーションを広げようとするわけだ。その開発ベースになっているOSもLinuxである。Googleが成功すれば、携帯の世界でもLinuxが優勢になることになる。


 一方、独自OSを持つNokiaなどの大手モバイル端末メーカーは参加していないという。かつてのPCのようなOS戦争が繰り広げられるのかとも思われるが、Googleの狙いはOSシェアを取ることではなく、自らのPCで成功したビジネスモデルを携帯にも広げたいための手段であるだけのようだ。問題は今後、どれだけの携帯キャリアがGoogleのオープンプラットフォームに参画するかであるが、なんといってもオープンソースであるから、新規開発のためのコスト的なメリットは計り知れない。PCの世界でもわかるように、じわじわとシェアを伸ばしていく可能性は高い。またGoogleにはそれを待つ余裕もあるだろう。


 国内ではさっそくNTTドコモKDDIが参画を表明しているが、これまでのGoogleとの提携関係からは順当なところか。ただし今後、これらの新規の携帯機種にどのように反映されるかはわからない。ソフトバンクが携帯の国内市場で暴れようとはしているが、まだまだ日本は携帯の標準化では遅れを取っている感は否めない。


 アプリケーションの面では、先に発表した携帯向けSNSに力を入れてくるようである。考えてみれば、PCでネットはWebなど不特定多数の情報をやりとりすることが多いが、携帯は特定の相手やグループとメールや電話のやりとりをすることがほとんどなわけだから、携帯にこそSNSは馴染みやすいものかもしれない。携帯の世界も、iPhoneとともに次のステージへと進んでいるようである。