景気後退でも伸びるサーバ市場

 アメリカ経済は不透明で世界全体にまで暗雲が漂っている感じだが、そうした中でもネットのサーバ市場だけは順調に伸びているようだ。MicrosoftGoogleだとはいっても、やはりサーバというコンピュータのハードウェアの世界になると、昔からのIBMだのhp(Hewlett-Packard)だのがやはり強い

2007年のサーバ市場、景気後退でも伸び (ITmedia)

 台数ベースでも金額ベースでもDellが大きく伸びていることから、やはりネットではPCサーバが主流となっていることを物語っている。IBMやhp、またSunにしろ、昔からのワークステーションとの兼ね合いもあるから、PCサーバだけで伸びというわけにはいかないだろう。


 景気後退でもとは言うが、むしろ景気が悪くなるほど、コスト節減のために組織改革をやったりするためにネットの再構築が必要になったりするわけで、決して矛盾ではないだろう。支店や店舗を統合したり、市町村が合併したりするのもこれに相当する。ネットの再構築、新たなサーバー導入時にはコストがかかるが、それでも中長期的には経費節減につながる。本来の意味のリストラである。もちろん人員も少なくなるが、日本では結果、人間がクビになることだけをリストラと言うようになってしまった。そういえば90年代初頭にリストラクチャリング」という言葉を定着させたのもIBMであった。


 そしてサーバ機も、コスト的にも集中管理できることから管理費用面でも、重箱重ねのラックマウント式が主流となり、さらにそれを横にも並べたようなブレードサーバが普及してきた。今後サーバ仮想化も進んでくれば、さらにサーバの実体はどう変わっていくことか。いずれにしてもネット利用者はもはやサーバの形がどうであろうと、どこに設置されていようと、今世界のどこのサーバにアクセスしているのかなど、全く意に介さなくてもよくなっている。まさに雲のような空気のような存在になりつつある。何をやるにしてもまずネットが必需品なわけだから、あまり景気に左右されない存在になりつつあると言えるかもしれない。