動画配信はYouTubeの一人勝ち

 2008年1月の米国の集計によればオンライン動画配信のシェア全体の3分の1強はYouTube/Googleとなったそうである。予想通りとはいえ、閲覧回数でYahoo!の10倍、Microsoftの17倍にもなる。比較するというより、ほとんど一人勝ちの状態である。やはりGoogleYouTube買収は歴史的出来事だったと思わざるを得ない。

1月の米オンライン動画配信、3分の1がYouTube (ITmedia)

 単なる閲覧回数ばかりでなく、ユニークな閲覧人数と1人あたりの閲覧時間にも大きな差がある。1人あたりの閲覧時間は動画の内容に左右されてくるだろうが、Google 110分、Yahoo! 18分、Microsoft 30分となっており、1つの動画ばかりでなく、関連動画などの閲覧にも常用されていることがうかがい知れる。よく利用する人には、YouTubeはもはや日常的なサイトになっているといってもよいのだろう。


 内容的には、どのような動画の利用が進んでいるのだろうか。日本国内では、初期の頃はやはりテレビ番組がアップロードされたものを、番組を見過ごしたような人が利用し始めたことが多かっただろう。次第に自分の撮影したビデオをアップロードすることの利用が増えているだろう。この場合は公開する必要はなく、自分と関係者だけで共有する動画用のストレージとしての利用である。


 テレビ番組のアップロードといえば、YouTubeと並んで国内では独自にニコニコ動画が急速に普及した。もちろん著作権上の問題があることは皆が感じていることではあったが、テレビのシーンに自由なツッコミのコメントを入れられる面白さが受けて人気が出ていったのだろう。いつ著作権で問題にされるか時間の問題だろうと思われていただろうが、YouTubeが大丈夫なうちは大丈夫だろうと、内心ユーザは思っていたことだろう。
 そして意外なことに、JASRACに対してはYouTubeとともに著作権料を支払うことで決着している。ところがテレビ番組に関しては、今後は投稿を削除すると宣言した。

ニコ動「テレビ番組の無断投稿は全削除」とテレビ局に申し入れ(ITmedia)

 ユーザからすればついに来るべき時がやってきたかという気もするが、これによって動画の2ch的雰囲気のあるニコニコ動画は、今後どういう方向に進んでいくのか。いずれにせよ、世界的なYouTubeと同じ路線にはならないだろうとは思われているが、国内独自の動画を生かしたサービスはどうなるのかということは、YouTubeのサービスの発展ととも興味深いところである。