ハイビジョン映像のSilverlight

 Flash対抗とされるMicrosoft Silverlightはハイビジョン映像が売りとなっている。今回、asahi.comの動画ニュースにSilverlightを採用されている。

asahi.comでHD映像配信 Silverlight活用 (ITmedia)
NovellとMS、Linux向けSilverlightの「Moonlight」を準備中
YouTube、「高画質再生」の選択が可能に

 Windows Mediaと違って、IEFirefoxSafariプラグインとして導入できるだけでなく、Linuxに対するサポートも行うとしている。Novellによる、その名もMoonlightだという。
 確かに画質という点では、Flashビデオでは容量を軽くするために犠牲にしているといえる。ただその手軽さからYouTubeに採用されて爆発的な普及を見せたといえる。それまではFlashといえば、Shockwaveからの流れのアニメーションだけのイメージだったが、今ではビデオの方がFlashを代表しているだろう。


 といってFlashよりも高画質にすれば乗り換えられるかといえば、そう単純ではないだろう。見るだけだったらブラウザにプラグインをインストールするだけでよいが、ひとたび制作側に回るとなると問題になる。XAMLというMicrosoft開発のXMLを用いるのだが、現在は.NET Frameworkの中でだけ可能である。Linuxにも対応するとしてもオープンソースに近い環境にならざるをえないだろう。もしLinuxでも開発できるのならば、わざわざ有償Visual Studio 2008の環境は利用しないだろう(無償のExpressではありうるかもしれないが)。またWindows Liveでも可能になるかなど、Microsoftはまた自己矛盾に陥る可能性もある。


 高画質ということの対抗上かどうかはともかく、YouTubeも一部は高画質に対応してくるようである。時代の流れとしては当然だろう。Microsoftが対抗しているのはFlashというより、Flashビデオを採用しているYouTubeであろう。どんなビデオ形式であれ、とりあえずアップロードしてFlashビデオにしてしまえる点で、ビデオ制作の上でも容易なことは明らかである。


 とすれば、Silverlightを採用するのは今回のasahi.comのように、既存の伝統的メディアとの結びつきにおいてこそということになるかもしれない。現在、テレビ局などのニュースビデオもWindows Mediaを採用しているところが多い。これらが今後Silverlightに移行して、画質向上していくことになるだろう。その意味では、一般ユーザとマスコミなどとの棲み分けができていくかもしれない。


 asahi.comのいくつかの高画質ビデオを見たが、スペースシャトルの映像や世界の映像など、もともと映像の質が違うものである。ただ視聴率を上げるには、やはり若い美女の映像は欠かせないようである(笑)。