高専のPCを利用したグリッドコンピューティング

 Microsoftというよりは、GoogleIBMがやりそうなイメージがあるが、教育機関のPCを利用したグリッドコンピューティングのプロジェクトを立ち上げるという。

MSと高専機構、全国の高専のPCを利用した
グリッドコンピューティングプロジェクトを開始 (CNET Japan)

 グリッドコンピューティングよりは、すでにクラウドコンピューティングへと時代は移っていきそうではあるが、一般ユーザからすれば、グリッドコンピューティングとクラウドコンピューティングの境界はそれほど明らかではない。というより直接は関わりがなかったといった方がよいだろうか。


 塵も積もれば山となるではないが、学校の教育用マシンのリソースを使って大規模な計算ができるのではないか、というアイデアは実は自分も20年前に考えたことがある。1980年代の終わり頃だから、PCにはネットワークなどはない時代である。OSでネットワーク機能を持つものはUNIXだけである。UNIXの通信機能をうまく使ったプログラミングを行えば、当時スーパーコンピュータで行っていたような計算を遂行できるのではないかと思った。UNIXの専門家に聞いてみても、それはできそうだということだった。それが時代が変わり、その通りになってきそうで感慨深いものがある。


 現在では、GoogleIBMはすでにアメリカの大学と連携してクラウドコンピューティングのプロジェクトを開始している。多くの組織のサーバーを巨大なクラスターとして、共通のサービスを提供するという意味では概念は広いと思われる。グリッドコンピューティングの方は、1つの巨大な計算をネット上の複数のホストやサーバーに分配して遂行するというイメージがある。しかし「計算」を「サービス」に置き換えて考えれば、クラウドコンピューティングとの境界は小さいものとなるだろう。


 いずれにしても、Microsftとしては明らかにGoogleIBMへの対抗の意味もあるのだろう。社会的には教育機関と提携することで、ネットサービスを社会に定着させていく戦略となるのだろう。