野茂復活、1000日ぶり登板

 ロイヤルズでメジャー昇格を果たした野茂が、ついにメジャーのマウンドで復活登板を果たした。どれだけ多くの人が待ち望んでいたことだったかと思うし、それを本当に実現してしまうのも凄いことである。現在多くの日本人メジャー選手が活躍しているのも、パイオニアの野茂がいたからこそだと誰もが知っている。

野茂、3年ぶりメジャー登板は2失点 ゴジラ斬りも2被弾 (Sanspo)
帰ってきた先駆者!野茂が1000日ぶりメジャーでゴジラ斬り
野茂1000日ぶりメジャー登板、松井抑えた (nikkansports.com)

 不屈の闘志でメジャーへ戻ってきた野茂だったが、開幕好調なロイヤルズにあって、なかなか登板の機会が訪れず、中継ぎとはいえどういう場面で登場するのかと気を揉んでいたところだった。それが負けている場面とはいえ、スター選手の居並ぶホームでのヤンキース戦に投入された。それも後半の3イニングスもである。最終回にAロッドとポサダに連続ホームランを浴びたとはいえ、松井も討ち取り、本格的な復活への手ごたえを得たようだ。


 野茂復活の演出は、やはりヒルマン監督だった。少なくとも日本人には松井も居るヤンキースに注目が集まるとはいえ、野茂だけは別格だ。絵になる野茂vs松井が実現しても、ここは誰しも野茂を応援するだろう。そして2打席討ち取られた松井自身も、野茂に心理的に貫禄負けをしたのかもしれない。ヤンキース戦でいきなり登板といえば、昨年の桑田のメジャーデビューもそうだった。そして桑田のメジャーでのメモリアル登板となった。あのときも日本人選手を理解している監督・コーチの存在があってこそのことだったように思う。


 3イニング目となる最終回の9回の前に、ヒルマン監督は野茂にわざわざ日本語で「カラダハダイジョウブデスカ?」と確認したという(野茂に英語が通じないわけはあるまい)。日本のプロ野球球団を率いて日本一を達成したヒルマン監督ならではの選手掌握術で、なにか涙の出そうな話だ。2本の本塁打を喫したとはいえ、野茂の投球への信頼は失われないという。今後、勝敗を左右する場面での登板も見込まれることになるだろう。そこで結果を残していけば、いずれ先発復帰の道も拓けるかもしれない。今度はヒルマン監督に「シンジテマシタ」と言わせてほしい。

 だが中継ぎの楽しさについて聞かれたときに、あっさりと「毎日投げられることですかね」と口にしたという。「どこにも使ってもらえなくなったら、NOMOベースボールクラブででも投げたい」と言っていた野茂らしい言葉だと思った。


 これから全米の球場で、日本のメジャーファンのNOMOコールが聞かれることになるかもしれない。そういえば、またあの「ヒデーオ♪、ヒデーーオ♪、・・NOMOが投げれば大丈夫♪」の歌声を聴きたいものだと思った。