ドコモがロゴマークを変更

 つい先日、シェア50%割れが明らかになったNTTドコモロゴマークを変更、今後のマーケティング戦略も変更していくのだという。確かにロゴマークを変更したからといって、新規顧客が引き付けられるとは思えない

「実際に一人負けだった」─「新ドコモ宣言」と新ロゴに込める変化の意識 (ITmedia)
「ドコモレッド」で生まれ変わるドコモ--既存顧客重視へ方向転換 (CNET Japan)

 昨年、評判がよくなかった「そろそろ反撃してもいいですか?」「ドコモ2.0」も、これに伴ってやっと看板を降ろすのだろうか。そんなに余裕をかましている場合ではないだろうし、ドコモ2.0なんてWeb2.0の言葉のもじりだけで、何も内容のないものだった(USB2.0に接続できることですか?という皮肉もある)。確かにコンパクトな携帯のボディに多機能を詰め込んではいるのだが、製品としてのポリシーは感じられない。


 そしてMNPの開始とともに、最大シェアだとはいえ、新規加入者数を減らしたのはドコモだけだったという一人負けの結果に、重い腰を上げざるをえなくなっているようだ。しかし「ドコモのブランド力が落ちている」という認識には違和感を覚える。今まではブランドで売れてきたという意識だったのだろうか。高価な贅沢品とかファッションならともかく、携帯電話は機能性と利便性だろう。好みはあるだろうが、ファッション重視で持つ人はいない。ブランド品なら高価なものでも好んで買うだろうが、携帯電話は同じ機能ならば少しでも安い方を買う。携帯でブランドを言うなら、アップルiPhoneとかディズニーの携帯のことだろう。


 ドコモが他社との競合で押されシェアを落としてきたのは、単純に使用料が高いことと、既存ユーザを大事にしてこなかったからに過ぎない。以前にも書いたが、PHSユーザの切り捨て方はひどかった。そんな殿様商法をやっていたのでは、古くからのユーザからも見放されて当然である。若い人たちは、誰も初めからドコモにブランドなどは感じてはいない


 それを反省してか、やっと今後は既存ユーザを大事にします、ようなことを言い出しているが、宣言などするより、早く実践で示してほしいものである。日本の携帯が世界に立ち遅れてきたのも、ドコモがNTTの旧弊を引きずってきたのが原因だったと思わざるをえない。