Google検索広告に暗雲
ネットの分野で独走を続けているGoogleだが、その基盤といえるクリック広告がこのところ減少してきており、今後のネットビジネスの展開も先行きが不透明になってきそうである。
グーグル検索広告に垂れ込める暗雲--ペイドクリック成長率が大幅失速に(CNET Japan) Google: March Paid-Click Growth Awful (Again)(SILICON ALLEY INSIDER)
Googleだけでなく、Yahoo!やMicrosoft(MSN)を含めて、クリック広告(ペイドクリック)全般が頭打ちないし減少に転じてきたということである。Googleの検索の需要そのものは増えているにもかかわらず、広告がクリックされない傾向にあるようである。
原因としては、アメリカの景気の後退により、そもそも広告の掲載数そのものが減少したか、消費者が買い控えで購買意欲を失い、広告をクリックしなくなったという両方の要因があるようである。ネットの広告や購買は不況にもあまり影響されないという定説だったが、それも必ずしも当たらないようである。もっとも新聞などの紙媒体による広告の減益はもっと深刻のようで、もともと紙媒体の広告からネットによる広告にシフトしてきた情勢だっただけに、広告全般に先行きが不透明になったと言わざるをえない。
これが経済情勢に影響を受けた一時的な減少なのか、ネットの広告そのものが曲がり角にきている事実を示しているのかは定かではない。もしそうだとすれば、巨大化したGoogleの収益構造そのものが根本的に見直される時期にきていることになるだろう。
またGoogleの広告の独占に対抗するためとの理由で、Yahoo!の買収を画策しているMicrosoftの戦略も、すでに時代遅れなおかしな話になってくる。そんなことに血道を上げるよりは、まだ誰も気がついていないネットによる収益のしくみでも開拓したらよさそうにも思えるのだが、大企業ほどすぐに効果が期待できそうな戦略しか手が打てない、むしろ余裕がないものなのだろう。