野茂、ロイヤルズから戦力外

 大変、残念な結果になった。つい先日、野茂がメジャー復帰を果たしたと大喜びをしたのもつかぬまで、ここ数試合の中継ぎで思うような結果が出せなかったためか、戦力外となってしまった。年齢的なもののせいか、マイナー契約もしないという。これでもうロイヤルズのユニホームを着ることはなくなった。

野茂、無念の戦力外 3の年ぶりメジャーも結果残せず(MAJOR.JP)
戦力外の野茂に「態度で模範を示した」とチームメート(MAJOR.JP)

 最後の登板は、味方の守備のミスもあり、野茂にとっては不運の面もあったようだ。もしここを切り抜けていれば、急遽、先発に回る可能性もあったというから、天国と地獄も紙一重の差である。契約の条件も含めて、これがメジャーの厳しさなのだろうとは思うが、日本人メジャーリーガーの先駆者の野茂のことだけに、やはり残念でならない。キャンプの時ほどの球のスピードが戻らなかったからということらしいが、やはり経験のない中継ぎではいつ登板になるかの調整が難しく、登場した場面で即全開にならなければならないだけに、先発で徐々に調子を上げていくタイプではまだ数試合では対応しきれなかったのかもしれない。それでも言い訳をするような選手ではない。


 メジャー復帰後、いきなりヤンキース戦に登板して松井と対戦したり、マリナーズ戦でイチローと対戦したりが続いて、ちょうど昨年の桑田のメジャー初登場時のような復帰の仕方だっただけに、少し不吉なものも感じてはいた。それがケガやアクシデントならともかく、こんなにも早く現実になってしまうとは、呆然としてしまう思いである。


 さて野茂の今後だが、桑田のようにスッパリと納得して引退ということはないだろう。他のメジャー球団とのトレードというのも可能性は低そうだ。そうなればまた自由契約の身となり、再びゼロから球団探しをしなければならなくなる。日本人メジャーリーガーとしては初めて、メジャーからの年金ももらえる立場にある野茂だから、もう無理をしなくても、と普通の人は考えるだろうが、野茂はまだあきらめずに何らかのアクションを起こしていく気がする。


 日本球界では交渉権を持つオリックスがさっそく「興味がない」などと言っているが、オリックスが野茂を獲得してくれることなどに、日本の野球ファンは誰も興味がないだろう。とっくに「日本球界には戻らない」ことを公言しているし、ありえないだろう。挫折しても挫折しても、何度も立ち向かっていく不屈の野茂の姿を、日本のファンは最後まで見守っていくだろう。