Windows XP SP3にトラブル

 やっぱり出たかという印象の、Windows XP Service Pack 3の自動配布、インストール後のトラブルである。非インテル系のAMDのCPUを持つ一部のマシンに影響が出たとのことで、再起動を繰り返すトラブルだったという。CPUが違えば、直接的な影響は少なさそうにも思えるが、果たしてそうなのだろうか。

XP SP3インストールで再起動繰り返す不具合 非Intel機の一部で(ITmedia)
Windows XP SP3の不具合続く (ITmedia)
XP SP3トラブル解決で個人ユーザーがヒーローに (ITmedia)

 似たようなこととしては、何年か前に某セキュリティ対策ソフトのウイルス定義ファイルを更新したら、Windowsのパフォーマンスが急に低下し、ほとんどフリーズしたような状態になるトラブルが発生したことがあった。実際、事務用のPCが同じ目にあったのを目撃もした。「ウイルス対策ソフト自身がウイルスみたいになっちゃ、しようがないねえ」みたいな皮肉を言っただけだったが、業務をやっている人間にとっては堪ったものではない。世間では結構騒がれたから、被害総額でいったら膨大なものになったのではないかとも思えたが、その後損害賠償をしたような話も聞かない(表ざたにしなかっただけかもしれないが)。


 XP SP2の導入のときもトラブルが報告されていたので、多くの組織ではすぐにSP 2の導入をせずに、半年とか1年の様子見をしたところが多かったはずである。新バージョンのOSやアプリケーションソフトが出たからといって、すぐにはバージョンアップしないことと同様である。今回のXP SP3にしろ、Vista SP1にしろ、国によって事情は違うだろうが、あまりにも時期が悪い。自動更新可能といっても一般ユーザ対象なのであって、組織のPCでは逆に自動更新をオフにしておくのが通常だろう。今回のトラブルは「ごく一部のこと」とはいっても、まだ時間がたってみないと他にトラブルが生じないとは言い切れない。そんなことで日常の運用を不安にさらすわけにもいかない。


 Microsoftは今回のトラブルをいち早く解決してくれた元社員の個人ユーザをヒーロー扱いしているようだが、どんな組織であれ、緊急のときに頼りになる人材は必要である。しかしユーザ側は誰もこんな形でのヒーローの出現などを望んではいない。そもそもこのようなトラブルを招く可能性のある運用を行っていることが問題になるからである。そんなわけで、XP SP3の配布が行き渡るのは、やはり1年後くらいであろうか。そしてその頃、Windows XPはまだどれだけ稼動していることだろうか。