Fedora 9が正式リリース

 半年に1回のペースでバージョンアップされるFedoraのバージョン9が正式公開された。まともに何もしないうちにバージョンアップされてしまう感もあるが、どうやら競合ディストリビューションとしてはUbuntuを意識してきているようである。

レッドハット、Fedora 9の正式版をリリース (CNET Japan)
最新Linux「Fedora 9」が公開 (ITpro)

 Linuxも10年以上経過して、ディストリビューションのはやりすたりもあったが、現時点ではやはりとりあえず入れてみたいと思うのは、FedoraUbuntuである。ただこの2つのディストリビューションは互いに思想が異なり、それがまた面白いところでもある。FedoraはもともとRed Hatのひも付きであるから、Fedoraの目的はRed Hat Linuxの改良に資することに尽きるといってもよい。だからFedoraでは荒削りなことや多少の不具合は「実験」と割り切ることである。オープンソースとはいっても、ミッションクリティカルな実装系には本来向いてはいない。それでも他には頼らずに、自ら運用する自信があるところではFedoraでも十分に実装していくことはできるだろう。それにしても、どういうタイミングやサイクルでバージョンアップしていくかは問題になるだろう。実は自分もFeodra 4のままでほったらかしのサーバーがあったりする。つい3年くらいまでのバージョンだが、いつのまにかバージョン9まで進んできてしまった。


 さて新バージョンのFedora9であるが、デスクトップ指向かサーバ指向かといえば、デスクトップ指向になっているだろう。KDEの新版をいち早く取り入れていることからも窺われる。とはいえ、本来はサーバ指向であり、デスクトップは初級者も取り込もうとする方便であると思える。最初はデスクトップとしても使ってみるのだが、サーバを設定してWindowsからの接続を試しているうちに、いつのまにか、サーバとしての使い方しかしなくなる傾向にある。別にKDEを使いたいからFedoraを導入しようというわけではない。


 あとはパーティション分割などせずに、USBメモリブートが可能なインストールがスムーズにできるかどうかである。このへんもUbuntuとの争いになるだろう。どこからでも気軽に起動ができる点ではUbuntuの方に分がありそうである。ただ今後のクラウドなどをにらんで、仮想化ソフトXenへの対応などはFedoraが進んでいるようである。というより現時点での路線の違いであると思われる。結局、サーバとしてはFedora、クライアントとしてはUbuntuという認識は、まだ続くかもしれない。もちろんUbuntuがサーバに使えないわけではないし、Fedoraをクライアントとして使えないわけではないが、完成度からしてのイメージである。