Googleの検索シェア、さらに拡大

 Googleの勢いが止まらない。一時、米国経済の低迷から検索広告にも陰りが見えたかとも言われたが、検索シェアだけの3月と4月の比較でも、またその数を伸ばしている。もちろん相対的に他の検索サイトがシェアを落としているわけであり、その多くはMSNであったようだ。

グーグル、またもや米国で検索シェアを拡大 (CNET Japan)

 Googleは、3月67.25%→4月67.90%までシェアを拡大しており、MSNは、6.65%→6.26%と下げている。Yahoo!は20.29%→20.28%の微減に留まった。ただ検索分野では、0.01%の増減でも広告面では大きな影響を持つとのことである。MSNとYahoo!の減少分が−0.40%に対し、Googleの増加は+0.65%であり、70%のシェアに近づこうとしている。いかにその差が拡がっているかは歴然としている。検索ジャンルごとを比較しても、あらゆるジャンルでGoogleが万遍なくシェアを拡大している。


 この時期のこの格差のさらなる拡大の理由として、どうしてもMicrosoftYahoo!買収提案が関係したのではという想像をしてしまう。つまり検索ユーザとしては、Microsoftの提案には反発を感じ、Yahoo!には同情的、Googleはますます支持という方向に加速させる結果に繋がったのではないかということである。MSNのシェアを落ち方とYahoo!が微減で済んでいることからそう見えるのである。MicrosoftがなんとかYahoo!を手に入れたかったのも頷けるといえる。ところが結果的には、むしろYahoo!が広告でGoogleと提携するのではないかという皮肉なことになりそうである。もっともこうまで差ができてしまうと、独禁法に抵触する心配も出てくる。


 このシェアの差のつき方を見ると、かつてのIntenet ExplorerとNetscape Navigatorのシェアの差の拡大のことを彷彿させる。Netscape Navigatorのシェアを奪うために、Microsoftは強引な形でIntenet Explorerを普及させたため、ブラウザのシェアは逆転し、どんどんその差は拡大していった。ついにはIEのシェアが8割〜9割を超えるようになり、Netscapeは末期には1%未満のシェアまで落ち込んでしまった。そして今年になってNetscapeはその歴史を終えることになったのである。因果応報ではないが、今度はMicrosoftのMSNが同じようにシェアを失っている。パソコン通信時代を含めて、歴史はYahoo!Googleより古いにも拘わらずである。


 検索分野に関しては、Googleにとっては、もはや今後はライバルはMSNなどではなく、むしろ日本のように特別にYahoo!が強い国だったり、中国のように百度が強い国であったりと、ドメスティックな局地戦の段階に入っていくような気がする。それは単に検索シェアを上げるということより、広い分野でその国の文化に入り込み、総合力で結果的に検索頻度も上げるという戦略を展開していくのではないかということである。YouTubeの動画のシェアなどと合わせると、それだけの余裕も生まれているようにも見える。