日本HPがVista携帯ノートを投入

 Eee PC、CloudBook、HPの携帯ノートと、ミニノートPC市場は活気の様相を呈してきている。特に大手のHPもこのジャンルに進出してくることによって、確実にビジネス用途の市場も拡大してくると思われる。そうした中で、これまで未定だった日本HP版の携帯ノートPCの仕様も決まり、6月上旬から発売されるという。

日本HP、6万円を切るVista搭載携帯ノートを投入 (PConline)

 その問題となるOSは、最も懸念していたVistaだけになりそうである。米HPでのOSはSUSE Linuxのだったはずだが、またしても日本市場ではLinuxは売れないという判断か、Windowsだけになりそうである。それも1GBメモリーモデル(Vista Home Basic)から2GBメモリーモデル(Vista Business)までとなりそうである。価格はともかく、現状の市販のノートPCとほとんど変わらないスペックである。また、それが残念なところでもある。他のミニノートPCは、みな現時点ではWindows XPを採用しているが、Vistaを搭載するのは日本HPが初めてかもしれない。

 
 1GBメモリーモデルではVistaではパフォーマンス的に現実的ではないから、結局メモリー増設をすることになるだろう。Officeなどを使うことを想定するならば2GBメモリーが標準であろう。とすれば、わざわざミニノートPCで、Officeを利用するようなことを想定したモデルなのだろうかと考えてしまう。ミニノートPCの市場が拡大するのは結構なのだが、その利用目的というか、推奨する利用イメージが明確ではないように思えるのである。


 従来のようにデスクトップ型の利用と、ネットに接続してメールやブラウンジングもできるという利用法であれば、価格は高いとはいえ、従来のサイズのノートPCの方がよほどいいだろう。むしろミニノートPCとしては、シンクライアントあるいはSaaS型のアプリケーションのクライアントとしての利用が適切であると思う。OSもハードディスクにインストールされたものでなく、フラッシュメモリ外部接続のUSBメモリ/ディスクから起動できるものであってよい。それが容易なものはやはりLinuxである。Windowsでなければ日本市場では売れないというならば、少し価格を安くしたOSレスのモデルを出してもよいし、セカンドノートPCとして所有する人には需要があるものだと思う。ミニノートPCが自分の所有する、あるいは業務で利用する唯一のPCであるとは考えられないからである。とすれば、問題はメインのPCとのデータ交換だけである。これをネットサービスだけでやってしまえば、ミニノートPCには直接データを残したり、余計なアプリをインストールする必要はないはずである。