Adobe Acrobat 9 と Flash

 Adobeといえば、PhotoshopIllustrator、PDF文書を作成するAcrobat、そしてここ何年かではFlashのアニメーションよりもFlashビデオがネット動画の主流になってきている。Acrobatは文書作成であり、Flashは動画作成なので一見すると関係なさそうにも思えるが、マルチメディア文書を制作するためにこれらの組み合わせようとするのが Acrobat 9であるようだ。

Flash対応の「Adobe Acrobat 9」発表 (ITmedia)
Adobe Acrobat.com

 Webページの中では画像や動画などのコンテンツをふんだんに入れても、画面で見るものだから普通ではあるが、PDF文書は本来印刷向けのファイルであるはずだから、その中で動画再生が可能だとしてもどれだけ意味があるかである。Adobe Readerで動画なども一緒に再生できるようだから、もはや印刷するよりも画面上で見ることを中心に考えているのだろうか。そうであれば、PDF文書のスクロールの速さなどがネックになるような気はする。ただマルチメディア事典的な文書を作成するには、Adobeのコンテンツ制作ソフトをほとんど組み合わせて使うことができるということなのだろう。


 さてそれに加えて、PDF文書をオンラインで作成できるAcrobat.comサイトが公開されている。これまでAcrobatのソフトがなければPDF文書に変換できなかったことが、オンラインサービスによってネットに文書をアップロード、ダウンロードするだけでできるようになった。またAdobeが買収したオンラインワープロBuzzwordを加えて、オンラインならではの文書をネット共有しながら作成を行うことができるようになった。これらGoogle DocsZohoなどといい対抗のサービスになるだろう。


 さらにすでに公開されているオンラインPhotoshopYouTube上の動画編集機能のRemixierなど、AdobeのソフトウェアのSaaS化は徐々に進んできているようである。一般のOfficeサービスなどとは違って、何かリッチな文書を制作するイメージがあるだけに、Web化によって従来の文書という概念を打ち破るようなことを期待したいものである。