ついに1TB HDDが1万円割れ

 ネットの主役は、PCでもWebでも光でも携帯でもなく、実はHDDではないかと思えるのだが、どんどん容量が大きくなってきて、ついに1TB容量のものが1万円を切るものさえ現れたという。価格だけで見れば、個人所有のPCでさえもHDDは標準1TBの時代になってきたといえそうである。

ついにここまで(涙)-1TバイトHDDがまさかの1万円割れ(ITmedia +D)

つい半年くらいまでは500GBのHDDの価格競争で、7〜8千円くらいまで低下して下げ止まりとなり、もはや価格競争の戦場は1TBのHDDへと移ってきたのだという。それによってHDDもTBの時代に突入したというわけである。


 「そんな大容量のHDDを個人で何に使うの?」という議論はさておき(いつの時代でも必ず言われてきたことだから)、Blu-rayだかオフラインのDVDや、中途半端なTV用のHDDレコーダーなどより、こちらをネットとうまく組み合わせた方が、はるかに多くの可能性が広げられる。そういう意味ではネットの主役になっていると思えるのである。


 自分の自宅PC環境の中でも外付けHDDは、古い順に120GB、250GB、500GBとあり、他にも120GBのコンパクトHDDがあったりして、トータルでは1TBは下らない容量にはなっているはずである。もっとも小さい容量のHDDには次第にアクセスしなくなる。現在は500GBのものをSambaWindowsファイルサーバーとして使っているので、Windowsから出てきたダウンロードファイルやらバックアップファイルなどを、どんどん放り込んでおける。容量節約のためにこまめに不要なファイルを削除することなどは、ほとんど考えたこともない。それだけ容量的には余裕があるというわけである。これをさらに単体で1TBのHDDを中心にすれば、500GBのHDDでさえあまりアクセスする必要がなくなってくることだろう。いやはや、ここまで来たのかという感慨がある。


 20年前、当時のNECPC-98用に、なけなしの大金をはたいて外付けHDDを購入したのが「20MBで20万円!」(1MB1万円の時代)秋葉原ラジオ会館の店で「これ以上1円もまけられない」と言われて買ったのが最初だったと思う。FDD20枚分の容量だったわけだが、まだFDDからPCを起動していた時代に周囲から「そんなにたくさん一人で何に使うの?」と呆れられたものである。それから4、5年後、当時神田古本屋街裏にあったDOS/Vショップで1.3GBのHDDを買ったのだが、マニアックな店員から「それだけ容量があれば十分だよ!」と吐き捨てるように言われたのを覚えている。


 その後もHDDに関してはいろいろあったが、今やその当時の1000倍もの容量になっている。もちろんネットやら大きく環境も変わっていることも大きいのだが、「何の必要があるのか?」などと心配される筋合いもなく、とりあえず持っているだけでもメリットのありそうな価格にまでなっている。PCでの昔話はほとんど役には立たないが、HDDに関してはこうした経験があるので、大容量HDDはその時代ごとにむしろ主役になっているように思えるのである。現在はとりあえずはデジタルTVで録画したものをLANを経由してPCに転送するような目的で使うことはあるだろう。だがそれ以上に多くの可能性を、ネットとの関係から感じられるのである。