iPhoneユーザの2/3は他の携帯を併用

 話題が一段落している感じのiPhoneであるが、インプレスによるiPhoneユーザの意識調査の結果が公表されている。それによると購入者の3分の2に当たる67%が、他のケータイとの併用であるという。「新しいモノ好き」という評価はiPhoneに限らず、いち早く新発売の製品を購入したがる人には当てはまることである。

iPhoneユーザーは新しモノ好き、67%がほかのケータイと併用 (CNET Japan)

 少なくともケータイのことはあまり知らないという人が、今回のiPhoneのブームに乗ったとは考えにくい。またケータイのことだけは詳しいという人も考えにくい。この調査から察せられるのは、ただの「新しモノ好き」というだけでなく、やはり「それなり」の経験者であったと推測される。


 1つにはMacユーザである人が半数もいること、またiPod経験者などでもあるのだろう。以前からアップル製品に対する信頼感を抱いている人たちである。PCの世界から見れば、昔からのMacユーザは宗教の信者にも似たところがある。そういうコアな人たちがiPhone初期の起爆剤として貢献しているということだろう。もっともこれは国内に限った話ではない。iPhoneソフトバンクから発売されると決まったときに、他のキャリアが日本ではそれほどブームにならないのでは、とタカをくくった読み違いがここにある。アップルのブランド力とはケータイだけで築かれたものではないからである。iPhoneユーザとなった人たちも、信用したのはソフトバンクではなくアップルであったということだろう。その意味では、ソフトバンクはアップルのブランドをうまく利用させてもらえたということになるだろう。これはかつてのYahoo!Japanの取り込みと同様であろう。


 そして既存のケータイと併用している人が2/3にもなるという。これも現時点でのiPhoneのケータイの位置付けがよくわかっている結果だと思われる。ケータイしか知らない人には、既存の国内ケータイのように何でも詰め込んでいるような多機能がないのが不満を持つ人もいる。しかしそれはケータイしか見ていないせいで、携帯音楽プレイヤーとしてはもちろん、モバイル型インターネット端末としての可能性のあるものとして見えてくる。おまけにアップルだからデザインやインターフェースが多くの人には魅力的に見える。仕事に使うには既存のケータイで十分だが、プライベートや新しい試みにはiPhoneを使ってみたいと考える人も多いのだろう。自らアプリの開発意向もある人が6割もいることがそれを示している。


 今後は携帯キャリアはiPhoneの動向も含めて、ますます契約者数のシェアの奪い合いに血眼になるだろうが、iPhoneによって示される近未来型のケータイの姿と、今後登場してくるであろうGoogle Androidを搭載するケータイと、ますますネットとの結びつきが濃厚になって、動画などかなり負荷のかかるような使い方も普通になるだろう。そのときケータイ料金は、今のままでいいのかというのが素朴な疑問として残る。自分も以前はPHSと携帯と2台所有していた時期もあったが、ネットに接続するPCを複数台持っているのと比べて、どう見ても料金的には普通には思えないからである。