Dellが5万円切るミニノートPCを発売

 ミニノートPC市場にHPに続き、ついにDellまで参入してきた。これまで5〜6万円くらいだった価格に、WindowsをやめてUbuntu搭載にすれば5万円を切る価格に設定するという。ミニノートPCにWindowsは適合しないと思っていただけに、これは歓迎すべきことである。

デル、5万円切るミニノート Ubuntu搭載で (ITmedia)
Dell、399ドルのミニノートPC「Dell Inspiron Mini 9」発表

 Eee PCに始まるミニノートPCにおいて、世界と日本市場が異なっていたのは搭載OSがWindows XPのモデルしかなかったことである。日本市場ではLinux搭載モデルは売れないという自主的判断か、Microsoftとの関係を重視する判断であるのかはわからない。しかしせっかく世界的にもブームになっているミニノートPC市場の選択肢が、初めから失われてきたことになる。特にHPはVista搭載モデルにしていたが、実質スペック的にVistaではきついことから、Micorosoftが認めるVistaからXPに戻す「ダウンロード権」なるものを付加するなど、ユーザとMicrosoftの両方の便宜をはかるような苦しい対応をしてきた。


 ところがMicrosoftもダウンロード権は認めるもののXPの新規導入には、ユーザが自分でソフトウェアを入手しなければならないことにしており、来年からはますますXPそのものの入手は困難となってきそうである。したがってミニノートPCにダウンロード権でのXPの導入も現実的には不可能になってきそうである。そうなるとせっかく重量は軽いミニノートPCでも、パフォーマンスは激重のVistaしか選択肢がないことになる。


 やはりそこでLinuxというよりUbuntuである。Dellの言う「ブログやネットサーフィン、チャット、写真の閲覧、音楽・ビデオの再生」などのクライアント的利用であればUbuntuでも十分である。ミニノートPCがきっかけになってUbuntuがより広がることになるかもしれない。


 自分は、ミニノートPCはまだ入手してはいないが、最近だいぶ草臥れてきたXP搭載のVaioノートのDドライブにUbuntuを導入してみた。デュアルブート環境ではあるのだが、Ubuntu側からNTFSのCドライブも自由に参照できるし、Windowsの設定を引き継ぐこともできる。パフォーマンスがXPより見違えたので、Vaioノートが生き返ったようである。Windowsを入れてわざわざ重くして使うこと自体がばかばかしくなったくらいである。最近ではUbuntuの方を立ち上げて使う時間の方が長くなった。


 ましてDellのミニノートPCのようにWindowsを使わない方が価格的にも得ということになれば、日本でもこちらのモデルを購入する人が多くなればよいと思える。ミニノートPCはひとつのPCのトレンドである。既存のPCやノートPCと全く同じような機能が使えなけばと思っている人は、あまりミニノートPCの意義をわかっていない。携帯のiPhoneの立場と似たようなところがある。現状ではミニノートPCをセカンドマシンとして所有する人がほとんであろう。だからこそUbuntuモデルでも十分なのである。単に価格が安いからといって、初めてPCを購入する人が入手しようというものではないはずである。


 DellマシンといえばWindows98から2000の頃に、オンラインで2台ばかり購入した経験がある。1台はHDDがクラッシュしたが、もう1台はメモリ192MB、HDD 8GBでまだFedora 6がかろうじて動いている。もうデスクトップPCを買う可能性は少ないが、このミニノートPCはひさびさに購入したい意欲にかられた。