クラウドが企業に役立つ方法

 クラウドコンピューティングを推進する企業の1つでもあるGoogleが、クラウドでできることを講演で述べている。あまりよく理解できない点が多いのだが、あくまでGoogleにとってのクラウドとはということで理解してみる。

グーグル:「クラウドが企業に役立つ10の方法」(CNET Japan)

10の方法と称しているが、特に10項目が独立した内容とも思えないので、気がついたこと点だけを取り上げることにする。

  • 何でも持ち出すことができる

ネットから何にでもアクセスできるようになれば、iPhoneのようなスマートフォンやミニノートPCからでも、外部から自由にアクセスできるようになる。iPhoneやミニノートPCのトレンドは実はクラウドとも結びつく。

  • すべての電子メールを検索できる

電子メールには将来性を感じないので、社内SNSなどであれば同意である。

  • Google Sites」やGoogle Docsを使って、簡単かつ安全にプロジェクトを共同で進めることができる

Web2.0における代表的サービスであるブログ、SNSWikiなどの機能を包含するサービスがクラウドに含まれるようになる。

  • フォームを使って、簡単に同僚や顧客からデータを収集できる

ここでいうフォームとは、Webの入力フォームというより、表計算のセルに複数のユーザがリアルタイムにデータを入力し、データを作成できるようなことをイメージしているらしい。ネットによる新しい表計算機能といえそうである。

  • クラウドプラットフォームでは、スケーラブルなビジネスアプリケーションを構築できる


これはクラウドそのものの特徴といえるだろう。開発者はサーバーが何台とかリソースの大きさをほとんど意識する必要はないだろうから。ただデータベースのスケーラビリティはどうなるのかは、よくわからない。

  • オンラインテンプレートを使って、文書、スプレッドシート、プレゼンテーションを作成できる

これはクラウドというより、オンラインOfficeそのもの機能といってよいだろう。

  • 高速で安全で安定したウェブアプリケーションを実行できる

自分のところにサーバーを設置することも運用する必要もないのだから、当然といえば当然である。

  • Google Apps」で安全にビデオを共有できる

これがGoogleの一番の宣伝のようだ。YouTubeGoogle Videoで動画を公開することはいつでもできる。ただそれ以前に、編集ためのストレージなどは必要だ。その作業場みたいな機能としてもGoogle Appsが使えることになるというのだろう。


 Googleの説明はクラウドというより、Google Appsのこれからの姿といった感じである。しかしクラウドコンピューティングはWebアプリケーションの話だけではないはずである。いろいろな分野に特化した開発を進める上でも、自前のサーバーでやるよりは自由に行うことができるはずである。それこそクラウドのイメージがまだまだ「雲をつかむような話」のレベルなので、Google以外の他の考え方も学ぶ必要があるだろう。