Windows 7が次期Windowsの正式名に

 あまり関心がないのにわざわざ話題にするのも気が引けるが、Windows 7が正式名称になるという。すでにカーネルVistaと変わらないということが示唆されており、結局はVistaのバージョンアップかという印象を持ったが、マーケット的にはすでに噂で広まっているWindows 7のコードネームをそのまま使うということらしい。リリース番号を製品名に使うのは先祖帰りの感がしなくもない。

マイクロソフト、開発コード名「Windows 7」を次期Windowsの正式名に(CNET Japan)

 昔はコードネームがCairoだのChicagoだの世界中の地名を名づけて、製品になってみればバージョン番号の味気ないものになっていた。バージョン番号をやめて西暦を使うようになったのがWindows95からで、ここからWindowsのクライアントマシンでの独占が確立されたといってもいい。その後は西暦から固有名が使われた。Windows2000Windows XPWindows Vistaである。名前の与える印象よりも、これはWindows NT系列とWindows95系列(MS-DOS系列とも言える)をWindows2000で統合したか、見かけ上融合したこともあって、新OSに見せかけるためのネーミングだったのだろう。


 それがWindows 7でリリース番号に戻すという。Windows95Windows 4.0であったなら、あるいはWindows NT 4.0もあったが、どうもリリースの数が合わない。まあどうでもよいのだが、ラッキー7で7という数字を使いたかったのだろうか。もはやWindows Vistaは「事故」扱いされているから、技術的、マーケット的にもそのマイナスイメージのいち早い払拭を求められていることは確かだろう。
 カーネルが変わらないわけだから、これまでVistaへの移行を控えていたユーザ、企業もWindows 7ではVista系列へなんとしても移行させるというつもりだろう。


 しかし高いスペックのマシンを要求するVistaが問題なこともさることながら、最大の失敗はOfftice2007だろう。あれほど旧バージョンとの互換性の問題で市場を混乱させているものはないと思える。上位互換という言葉は死語になっているのかもしれない。逆に言えば、それがOpenOffice.orgなどのオープンソースや、SaaSクラウドへの移行を加速させてきているともいえる。


 それにMicrosoftSaaSといえば、Windows Liveがある。実はあの伝説の「闘うプログラマー」、Windows NTを開発したデヴィッド・カトラーが今はWindows Live部門にいてなお健在であるようである。仮にWindows Liveの方に画期的なものが出れば、それはWindowsやOffice本体にとっては矛盾した存在になるかもしれない。WindowsやOfficeにとってのライバルは、もはや他のOSやソフトではななく、Webやネットであるからである。