署名サイトの存在感

 署名サイトなるものが存在することは知らなかったが、王監督イチロー発言に対してではないが「なるほどね」と思える。WBCの監督問題に対して、星野北京五輪監督の就任に反対する署名だという。ネットの問題と野球の話題が結びついた珍しい話題といえるかもしれない。

“WBC星野監督”反対に数千件 署名サイトが存在感 (ITmedia)
イチロー初めて語るWBC日本監督問題 (SANSPO.COM)
王氏、イチロー発言「『なるほどね』と思う」(SANSPO.COM)

まず星野監督でオールプロの全日本が惨敗したのは記憶に新しいが、一般国民を含めてあれだけ失望させられたのに、時間がたてばほとぼりが冷めて、また星野監督でという空気を察知しての署名活動であるようだ。
 そもそも惨敗した後、言い訳ばかりで何も敗因の分析とか責任を取ることもなく、今度はWBCで北京のリベンジをと言いたいらしい。しかしこればかりは「喝」で張本氏が語っていたように「まずケジメをつけなければならない。王監督を利用するな」という考えに賛成である。


 それにWBCは別に五輪のリベンジの場ではない。選ばれる選手の中にはそう考える選手がいるかもしれないし、多くの野球ファンもそういう目で見ようとする人がいるかもしれない。それはそれでよいとは思うが、監督やスタッフはそうではないだろう。WBCは日本はディフェンディングチャンピオンの立場である。それなりのチーム編成をすべきだと思う。そのときに「北京のリベンジ」などと錯覚する監督やスタッフはいらないだろう。ましてや北京五輪の反省のなにもされていないわけである。イチローにしても、何も北京のリベンジに付き合わされる筋合いはないだろう。最悪の場合、チーム編成によっては辞退することもありえそうである。


 そうした中でのインターネットでの署名活動である。むしろ署名サイトの存在そのものがこの話題のおかげで知れ渡ることになるかもしれない。これを「なるほど」と思えるのは、インターネットを民意の反映に使っているからである。町中でもしばしばいろいろな署名活動が行われているが、どうしても署名を集めるために及ぶ範囲が限られている。これにインターネットを利用するというのは適切な考え方であろう。昔、フランスの核実験に反対をするメールでの署名活動があったとき、インターネットの開拓者が「インターネットは民主主義の道具」としてその試みを賞賛していた。それは正しい。