DellもミニノートPC市場へ参入

 とうとうDellまでミニノートPC市場に進出することになり、これでDell、HP、国産では東芝NECエプソンと、Eee PCに始まるミニノートPCは、すっかり市場に定着することになりそうだ。もはやマニアックな世界のものではなくなりそうである。

デル、8.9型ワイド液晶搭載のミニノートPC、8GBのSSDを採用(CNET Japan)
HP、400ドルの低価格ノートPC提供へ(ITmedia)

さらにHPは400ドルミニノートPCまで発表、500ドルPCというイメージまで崩れそうである。これまでノートPCといえばコンパクトだが高価というイメージだったものが、むしろPCを購入する際の第1候補にさえなってくるのではないかと思えてくる。


 自分自身そうだが、日常的な仕事や作業はノートPCだけで十分である。ブログを書いたりメールの読み書き、ニュースのチェックなどもそうである。デスクトップPCとモニターはあっても、グラフィックスとかテレビ画面を出すとか特別なことでない限り、あまり使うことはない。実際、Windows2000時代のスペックの落ちたデスクトップのDELLのPCはLinuxサーバーとして電源だけ入って起動しているのが実情である。少なくとも個人的には今後、10万円近くするようなデスクトップPCを買うことはないだろう。


 さてそのノートPCも続々といろいろなメーカーから発表されているので様子見というわけでもないが、店頭で触ったことはあってもまだ実際に購入はしていない。自分にとって一番の問題はOSの種類だからである。特に国内の販売ではWindows XP Home editionのケースがほとんどである。それも例のMicrosoftVistaからXPへの「ダウンロード権」というやつなのだろう。Vistaが入っているとしたら最悪のケースだろう。そしてLinux版を出すという話はほとんど聞かない。メーカーとしてはデスクトップOSとしての普及率とMicrosoftとの大人の関係を考えれば当然ということなのだろうが、これではミニノートPCとしての可能性を狭めているような気がしてならない。


 マニアックにはWindows XP Homeが入っているミニノートPCを購入して、わざわざLinuxに入れ替えるということを解説していた記事があった。しかしWindowsをわざわざ消して使うというのもWindowsのライセンス代分を損しているような気になってあまり面白くない。


 直接ミニノートPCとは関係ないのだが、ある試みをしてみた。Windows XP時代のVaioノートPCがCドライブとデータ用のDドライブに分かれているので、DドライブにUbuntuを導入してデュアルブートにしてみたのである。するとこのようなインストールの場合、Ubuntuはインストール済のWindowsの内容を検知して「Windowsの設定を引き継ぎますか?」と聞いてくるのである。深く考えもせず「はい」と答えるだけで後は何もせずにインストール完了で、起動してみて驚いた。すべてのデバイスの認識、WindowsのCドライブ(NTFS)の内容もすべて見えるのは当然として、ネットワーク設定、ブラウザのお気に入りに至るまで何もしなくて引き継がれている。


 一番驚いたのはWindows側ではSambaサーバーに接続してファイルサーバーにしていたのだが、それも検知して何もしなくてもSambaにもアクセスできてファイルサーバーを利用出来るようになっていた。直接Windowsアプリケーションを動かすこと以外は何も困ることはない。実際それ以来、だいぶ草臥れて動作が遅くなったXPよりもUbuntuの方を起動して使うことの方が多くなってしまった。


 容量的に余裕があるのであれば、これはミニノートPCの利用の仕方のヒントになるかもしれない。ネットワークが進歩してOSを使い分けるデュアルブートなど時代遅れの感はしていたのだが、現状のミニノートPCではスペック上、OSとしても古くなったXP Homeを使わざるをえない。これをすぐに潰さなくともUbuntuデュアルブートで導入してWindowsのファイルだけスムースに使うことが可能になる。同時にUbuntuやデスクトップとしての普及にもなるだろう(現状ではUbuntu以外、デスクトップとしてあまりよいのは見当たらないが)。さらに古くなってXPがいらなくなれば、そのときはCドライブを消してUbuntuのただのフォルダにすればよいだけである。


 普通のノートPCでさえそうなのだから、よりネットワークに頼ることを前提とするミニノートPCはUbuntuで使うことこそ適合していると思えるのである。