Ubuntu 8.10サーバー版が仮想化機能

 Linuxの中でもデスクトップ機能に優れるUbuntuがバージョンアップして8.10となった。だいたい.04と.10のバージョンアップを繰り返しているようである。個人的にはデスクトップのUbuntuのライトな利用は定着している。未知数なのがサーバー版の方であった。

「Ubuntu 8.10」リリース、サーバ版は仮想化機能を強化 (@IT)

 特に今回のバージョンアップはサーバー版の方の変化の方が大きいようである。サーバー仮想化機能の強化である。VMWareはともかくRedHat系で標準になってきているXenにも対応している。JeOSの評価はわからない。Ubuntuサーバーも次第に新しい機能をどんどん取り入れたものとなってきそうである。この先にはクラウドの構成がある。すでにクラウドサービスを始めているAmazonとかIBMなどの仮想サーバの構成を見ると、やはり有償Red Hat Enterprize Serverのケースが多い。これから予想されるミニクラウドを構成する場合、フリー版だけで行う可能性も高い。そうしたときUbuntu Serverもその候補の1つとして入ってくるだろう。


 また前のバージョンではどういうわけか消えていた、USBメモリーへのインストール方法も提供されているようだ。すでにUSBメモリも2GBや4GBでも安価な値段で買えるので、BIOSがUSBブートに対応しているノートPCであれば、USBメモリーごとにヤドカリ的Ubuntuを複数作ることもできる。テンポラリにサーバーとして稼動させることも可能だろう。容量的にはもはやコンパクトHDと同じで、実際BIOSUSBメモリーをそのように認識している。Ubuntuがこのへんのインストールの小回りがきくのは、もともと1CD Linuxが売りだったDebianLinuxの流れである。実際Ubuntuがいまだに1CDだけでインストールもできるので、古いマシンにもインストールしやすいし、デバイスの認識率もきわめて高い。現在のミニノートPCのWindows XPを潰さずにUbuntuを導入する効果的な方法の1つでもあるだろう。


 どうしても一般ユーザ向けの話となると、GNOMEKDEがどうしたというWindowsとの比較の話題ばかりを記事で採り上げたがるようだが、少なくともサーバーも含めたLinuxの比較、導入の話をする上では、デスクトップでのパフォーマンスや障害が話題になることはあっても、インターフェースが問題になることはほとんどない。