Skypeの利用動向

 ネットで国際電話ができてしまうSkypeは、英語が苦手な日本人にとってはそれほどなじみがないものかもしれない。ただマンツーマンの英会話レッスンにはすでに欠かせないものとなっているようである。IP電話に移行することは既成の事実となっているが、それ以前にインターネットでの無料国際通話の方が進んでいる感じを受ける。

Skype ユーザーの約3割が国際通話に Skype を利用(japan.internet.com)
グーグル、オンラインチャットでSMS送信機能を実験提供へ (CNET Japan)

 特に日本にいる外国人などはみな当たり前のようにSkypeを利用しているように見える。母国にいる仕事仲間や家族とコストもかからずに気安く電話どころか、チャットやWebカメラがあればテレビ電話までできてしまうのだから、一度覚えてしまうとやめられない。外国人がいると共有のマシンにまで勝手にSkypeをインストールしていたりするので、管理上困ったりもする。


 同じようなことはYahoo! Messenger(YM)でもできるのだが、本当にネイティブの外国人とやりとりするのなら、Yahoo!JapanのIDがyahoo.comとあまり互換性がないので、yahoo.comのIDで英語版のYMをインストールして行った方がよいようだ。Skypeではそのような違いがなく、単に言語の選択を切り替えるだけでメニューが日本語表示されるかどうかの違いだけのようである。


 国内だけなら英会話の勉強のために外国人講師とやりとりする以外は、あまり使う用途が少ないし、国内では若い人を中心に、携帯メールで済んでしまうような面があるからである。もちろん安くなったWebカメラさえあれば、携帯のテレビ電話などよりはるかに安く済むし相手の様子も確認できる。昔ほど遠距離恋愛や単身赴任なども難しいものではなくなっているのかもしれない。


 そんなわけで現状では国内でのSkypeの認知度は3割程度というのは、必要に迫られている人の割合でそんなものであろうと思われる。それも個人的利用よりは、ビジネスなどでの海外との担当者との会議や打ち合わせに使われるのも当然であろう。日本人はあまり知らなくても、海外の人にとっては通信費用を切り詰めるために必須のものだからである。


 またこのへんにも日本の携帯が世界から孤立している影響が現れているようである。たとえば海外の携帯から日本の携帯に通話なり、メールを送ろうとしてもそれなりの費用がかかる。1通あたりはともかくとして、1日何10通とか月単位にすれば決して通信費用はばかにならない。このときSkypeなりを仲介させれば携帯から携帯への費用もきわめて小さいものにすることができる


 アジア圏などは日本のように携帯のインターネットメールは普及していないので、安価に送れるSMSというショートメッセージが便利になっている。ところがこれを日本の携帯(3G)から送ろうとすると高い。向こうはインターネットメールを携帯で受信するのは負担になる。日本は国内だけのことを考えて、国際的なSMSには消極的なようである。そう思っていたら、Googleも動き出したようである。そのうちGoogle経由で、日本の携帯メール→(Google SMSサービス)→海外SMSメールが、互いにGoogleアカウントを持つユーザ同士であれば可能になるかもしれない。またそれらの設定が、Skypeのように独立したアプリケーションを起動せずとも、すべてWebサービス上でできてしまうことになるだろう。